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社会福祉法人の会計顧問と、ガバナンス・経営会議の再構築

2016.09.26

  • 2017年4月に完全施行される改正社会福祉法は、社会福祉法人の経営を根底から揺るがしかねない大改革とも言われている。
  • 法人のミッションやビジョン・計画の再構築、役員や評議員などのガバナンス強化、本部機能の充実と財務規律の向上など、課題は山積している。
  • 抜本的な改革を迫られている社会福祉法人のガバナンス強化にあたって、会計が果たす役割は極めて大きい。
  • 税理士法人日本経営の門原郁洋(副部長)に、社会福祉法人における会計の役割について尋ねた。

 

― まず、社会福祉法人が現在おかれている業界の特性について、どう考えているか。

 


DSC07801門原
 福祉の業界は、これまで社会保障政策に守られてきた業界です。「守られてきた」ということは、言い方は適切ではないかもしれませんが「制度の枠内で経営をしなければならなかった」ということでもあります。

しかし今後、社会保障費が抑制される中においても非課税法人として存続していくためには、地域で必要とされる様々な事業やサービスを展開しなければならなくなっていくでしょう。制度の枠を超えて幅広い領域にどうチャレンジしていけるか。この経営判断と推進力とが、今後の経営を大きく左右するはずです。

 

― それは、新規事業のシミュレーションが重要になる、ということか。

 

門原 新規事業のシミュレーションや目利きは、確かに重要だと思います。しかし、シミュレーションには二つの意味があります。一つは、新規事業が100%軌道に乗ったときのシミュレーションです。最終的なゴールを明確にすることは確かに重要ですが、事業の採算が本当にそのようになるかどうかは、やっていなければ分かりません。むしろ、やりながら作り込んでくものです。

もう一つは、事業が100%に到達するまでの間のシミュレーションです。収支分岐点に達するまでは、どうしても赤字が先行します。3ヶ月しか耐えられないのか、1年耐えられるのか。言うまでもなく、こちらのほうが新規事業においては重要です。経営の判断とは、取り得るリスクの大きさの判断だとも言えるでしょう。

ここで重要なことは、リスクをどこまで取れるかは、現在の事業がどれだけリスクに耐えられる経営になっているかということに大きく左右される、ということです。つまり、新規事業の前に、まず現在の経営の課題がどこにあって、どう改善しているのかが問われるわけです。実際に社会福祉法人の経営は、うまくいっている法人とそうでない法人の二極化が進んでいます。

 

― 経営がうまくいっていない社会福祉法人とは、大きくどのように分類できるか。

 

門原 うまくいっていない社会福祉法人の特徴は、3つに大別できるでしょう。1つ目は、収益が低迷している。2つ目は、人件費の負担が経営を圧迫している。3つ目は、採算が取れない過大な初期投資。課題がどこにあるのかを明確にし、それを解決していけるように経営の舵取りをしていかなければなりません。

収益が低迷しているのであれば、稼働率をモニタリングして改善のためにどのようなアクションができるか、現場が自分たちのこととして取り組まなければなりません。人件費が負担となっているのであれば、一人当たりの業務内容や生産性を見直し、場合によっては賃金水準の見直しなども必要になるかもしれません。初期投資が過大なのであれば、事業を組み合わせて多機能にするなど事業の再構築が必要です。ただ闇雲にやればよいということではなく、自分たちの取り組みがどう成果に繋がったのか、現場が手応えを感じられるようにモニタリングし続けることが、経営をよくしていきます。ここに、会計の果たす大きな役割があると思うのです。

 

― 会計と言っても、試算表が毎月できていない。もしくは、できていても経営者の知りたいことではない。だから会議にも活用されていない。という声を聞くことがある。

 

門原 まず試算表は自分たちで作成するのだ、という役割意識を現場が持たなければならないでしょう。簿記会計に触れたことのなかった職員がいきなり経理を任されて、自分で勉強し始めてモチベーションに火がつくということも少なくありません。一方、経営層や幹部も毎月経営会議を必ず行い、試算表だけでなく収支や稼働率を施設長自ら報告する。このように数字に向き合う場を持ち、運用を継続していく中で、やがてどこに問題があるのか、どう改善していくのか、どんなリスクがあるのか、まさに経営者が知りたい情報が報告されるようになっていくはずです。

 

― 社会福祉法人は抜本的と言ってもいいほどのガバナンス再構築を求められているが、会計や経営会議の再構築は、ガバナンスの強化を大きく後押しするのではないか。

 

DSC08781門原 ガバナンスの強化にあたって、会計や経営会議の果たす役割は極めて大きいと確信してます。外部監査が求められる法人はもちろん、求められない法人についても、内部の管理体制の強化は避けられないテーマです。

しかし、私は会計の役割はもっと大きいと思っています。これまで、数多くの社会福祉法人の経営者の方や管理者・職員の方とお会いしてきました。この業界の特質と言えるかもしれませんが、なんと多くの方が、地域のために、困った人のためにと、日々の仕事をされているのだろうかと痛感しています。福祉業界を支えているのは、このような純粋な思いなのです。

法人数をどうするかというような声が聞かれることもありますが、私は、このように真面目に仕事をされている方々が生き残り、報われていくような経営が実現できる世の中にしなければならないと思っています。会計の役割は、ガバナンスを強化することも確かですが、その先にあるのは、真面目な努力が報われるような経営を実現していくことだと、私は思っています。そのような実績を1つ1つ積み上げていくことが、お客様と私たちとの、かけがえのない財産だと確信しています。

 

 

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