事例紹介

【お客様インタビュー】コンサル活用のコツは一緒に戦える良き相棒を選ぶこと

担当コンサルタントが聞く
行政(医療・介護政策)でのコンサル活用のポイント

島根県飯石郡飯南町 飯南町役場 保健福祉課 課長補佐 小玉様にコンサル活用のポイントをお聞きしました
  • 介護福祉施設
  • 収益向上・経営改善
  • 経営戦略・事業構想
  • 1001人~

地域の介護施設の機能再編に向けた基本構想策定業務

事業者名(自治体名):島根県飯石郡飯南町
所在地(都道府県)
島根県
従業員数(町の人口約4,400人(2024年.4月時点)
URL
https://www.iinan.jp/
話し手
飯南町役場 保健福祉課 課長補佐 小玉様

支援内容(コンサルのプロセス)
島根県飯南町の皆様とは約1年間にわたり、介護施設の機能再編に向けた基本構想の策定をご支援

課題
・介護施設の建替えが必要だが、人口減少に伴い現状の規模感を維持するのが困難
・住民や関係機関が納得する基本構想にするための客観的なデータ分析・解析が不足

導入効果
・策定した基本構想が関係機関内で承認され、介護施設の機能再編が本格的に始動
・地域全体で必要なサービスが整理でき、関係各者と規範的統合を実現

事業内容
住民にとって本当にいいことなのか、原点を捉えた町づくりをしたい

最初に、飯南町の魅力や特徴を教えてください

色々ありますが、やはり豊かな自然と、その自然が育む人柄が魅力だと思います。また、町がコンパクトなので、行政サービスが行き届きやすいという良さもあります。そういった側面もあってか、「2024年版住みたい田舎ベストランキング」における人口1万人未満の町の「子育て世代部門」で全国1位に選ばれました(※)

一方で人口は減少に転じているため、若者・子育て世代がUターン移住したくなるような町にしていきたいと考えています。

※宝島社発行『田舎暮らしの本』の「2024年版第12回住みたい田舎ベストランキング」にて。2024年2月号掲載。

事業を推進されていく中で、普段大事にされていることは何ですか

私はもともと看護師をしており、看護師時代は本当に患者さんにとっていいことなのかという判断基準で仕事をしていました。病院を出て地域包括支援に携わり現職に就きますが、根本のマインドは変わりません。

ですから、事業を推進するときは、それが本当に住民にとっていいことなのか、という原点への立ち返りを大事にしています。そして、われわれ自身が気持ちを投入して施策に取り組めるか、という点も非常に重要なポイント。経験的に、やらされている感があるとうまくいかないことが多いですからね。

課題と背景
介護施設の建替え問題は、町の問題。この気づきが出発点に

抱えておられた地域課題や推進上の問題点についてお聞かせください

町に2つある特別養護老人ホームのひとつが老朽化し、建替えのニーズが発生していました。人口が減少している中で現状の規模・機能を維持するのは難しく、今後の地域需要に応じた施設再編が求められていましたが、関係者が他方にいるため長く停滞状態にありました。

行政も状況は認識していましたが、当初は「行政が介入する問題ではない」と思っていたのです。しかし、より広い視野でこの問題を捉えたとき、介護施設をどう建替えるかが、今後の町の産業や人口に大きく影響することに気づきました。

4〜5年前に飯南町の産業別就業者数を調べた際、保健医療福祉に従事する人の数は400人超でした。これは町の人口の1割程度を占める割合。ということは、介護施設の適切な運用が、一つの産業を守ること・雇用の場を守ることにつながります。雇用の場がなくなれば従事する人およびその家族、介護サービスを必要とする高齢者の方も町を出ていかなければならなくなる。これでは住民さんの幸せを実現できない、住民さんに対して責任が取れない、と思ったのです。

コンサルタント導入の経緯
守りの盾は手に入れた。次は、戦える剣が欲しい

課題解決に向け、内部だけで進めていく選択肢もある中、なぜ外部のコンサルタントを活用しようと思われたのですか

介護施設の建替え問題が町の問題であると認識した当時、私は保健福祉課の課長でした(現在は定年を迎え課長補佐として従事)。保健福祉課だけでどうにかできる問題ではないため課を横断して取り組もうと、庁舎内でプロジェクトチームを発足。副町長も巻き込んでバックアップ体制を築くなど、具体的に動き始めてはいたのです。

ただ、現実的に建替えを進めていくには、直接的・間接的に影響を受けるすべての関係者が納得する基本構想を描く必要があります。それを役場内部だけでつくるのは困難だと感じました。

というのも何か意見を述べたとき、共感は得られても、個人の感覚としての意見の域を出ない。客観的根拠という部分で、データ分析・解析において専門家のノウハウが不可欠だと判断し、コンサルタントの活用を決めました。

数あるコンサル会社の中から日本経営を選んでくださった決め手は何だったのでしょうか

日本経営さんを知ったのは、今回のプロジェクトの前段として保健福祉課で実施した介護施設職員のアンケート分析でした。ほかのコンサル会社の方にもプレゼンしていただきましたが、日本経営さんの分析が今の飯南町にマッチするね、と課員の意見が一致。これをきっかけに、施設の分析だけではなく町の分析もお願いしようという運びになったのです。

しかし決め手というと、担当コンサルタントさんに“同じにおいを感じた”というのが正しいのかもしれません。町の悩みを受け止めてくださったうえで、「建替えただけでは本質的な問題は解決しません。では何が必要か」という、もう一つ先の見解を示してくださり、私の中で絡まった糸がほどけていくような手応えがあったんですね。この方たちとだったら一緒に戦える(笑)、と思いました。

プロジェクトメンバーや副町長が守りの盾なら、日本経営さんは戦うための剣。現状打破に不可欠な存在だと確信しました。

課題の解決方法と成果
徹底したデータ分析が、規範的統合へとつながった

介護施設の機能再編の基本構想をつくるうえで、日本経営に期待していたことは何でしょうか

まずは、徹底したデータ分析と解析です。私たちが肌感でしか説明できなかった部分を数字化・文章化して欲しいというのが一番にありましたから。そのうえで、われわれがしようしていることを、専門的視点から検証していただきたいと思っていました。

その結果を基に、地域のサービス提供者とどう議論するのが有効なのか、関係機関で承認を得るための盤石な資料作りなどにおいて、経験値からくるリアルなアドバイスを求めていました。

 取り組みを振り返って、日本経営のサービスはいかがでしたでしょうか

日本経営さんには飯南町の様々なデータから将来のマーケットニーズ、現状サービスの利用状況、サービス提供体制などを網羅的に分析いただきました。介護サービスの利用状況でいえば、過去5年間のデータをさかのぼり、一人の住民さんが介護認定を受けてからどのような状況・展開で入所に至ったのかというところまで細分化。これを見れば、どの段階でどんな対策を講じるべきかが見えてきます。

懸念していた関係者間の調整も効果的にサポートいただきました。地域のサービス提供者とはワークショップ形式で議論し、現状課題と将来リスクをすり合わせたうえで、地域全体で必要なサービスを整理。それを関係者間で共有できたことが非常に価値のある取り組みだったと感じています。

完成した基本構想は、われわれのイメージが的確に具現化・言語化されたものとなりました。実際に関係者に見せた際も非常に良い感触で、私たちも驚いているくらいです。期待以上のお仕事をしていただけたと思っています。

建替え事業はこれから本格始動ですが、今回の取り組みを経て現段階で感じている成果や変化などがありましたら教えてください

はい、実はじわじわとですが変化を感じています。町の分析を徹底的にした結果、保健福祉課をはじめ関係各者と価値観や視点の共有ができ、これからの町づくりにおいて発展的な話し合いができるようになりました。

たとえば「認知症の予防も大事だけど、飯南町であれば、認知症になっても安心して徘徊できる町を目指せるよね」「過去に実施したセミナーや研修をアップグレードしてもう1回やってみようか」など。町の本質を捉えた意見や主体性のある発言は、大きな一歩だと感じています。

コンサルタントの活用ポイント
自分と感覚が合うか、同じ目標に向かって走ってくれるか

最後に、コンサルタントの導入・活用を検討されている行政の方に向けて、コンサル活用のコツを教えてください

町の課題の特徴は、表面化している課題の奥に地域全体の課題があり、それらが密接につながっている点にあります。なので、コンサルタントを選ぶときは、「どんな町づくりを目指していくのか」という部分の感覚が合うかどうかが非常に大事。自分の思いを汲み取ってくれ、同じ目標に向かって走ってくれる方を選んでいただきたいと思います。

また、理想と現実を区別し、厳しい意見を言ってくれるかも重要です。日本経営さんと建替え後の施設をシミュレーションした際、「建物はできたが介護人材が集まらない可能性もあります。そのときの対処法までシビアに検討しておくべきです」とはっきり言ってくださったのが印象的でした。

今回はじめてコンサルタントと本格的にタッグを組みましたが、本当にいい相棒だったなと実感しています。


医療・介護政策に精通し、調整力に長けたコンサルタントが行政・自治体の政策実現に貢献します
私たちコンサルタント活用の選択肢もぜひ、ご検討ください

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