2018.12.25
経営理念の浸透
株式会社日本経営ホールディングス 取締役 先崎 浩
クリスマスパーティー、ご家族に精一杯のおもてなし
今年も残すところあと僅かとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
弊社では毎年12月、一大厚生行事であるクリスマスパーティを開催します。
社員だけでなくご家族もお招きし、日頃社員を支えてくれているご家族に精一杯のおもてなしをします。
運営はホテルに任せるだけでなく、社員の円滑なコミュ二ケーションを促進するための厚生委員や若手社員が中心となって演出なども行い、社員は皆、会社で見せる顔とはまた違った一面の笑顔を見せてくれます。
「四方善し」の取り組みが不可欠だという決意
当社では創業時より、次のような社訓を掲げていました。
関与先の発展なくして当社の発展なし
社員の向上なくして当社の発展なし
私どもにとって歴史・由緒ある社訓でしたが、お客様が全国に広がり、業務内容も多岐に分かれ、「当社の発展」を謳ったものでは難しい場面も多くなりました。
そこで2008年、当時の社長 藤澤が広く社員からも意見を募り、40年近く慣れ親しんだ社訓の精神を引き継ぎつつ、一部改正をしました。
顧客の健全な発展を通じて 正しく社会に貢献する
社員の真摯な成長を通じて 正しく社会に貢献する
企業は公器であるという意識を高め、「正しい社会貢献」を謳ったのです。
私たちは絶えず緊張感を持って業務に取り組み、社会における正しい目線を持ち、社会に生かされて初めて会社や私たちが存在する。
社会とお客様と私たちと将来世代が共存共栄する「四方善し」の取り組みが不可欠だという決意です。
家族に支えられ、仲間と共に困難を乗り越えてきた
しかし、それだけでは不十分でした。
私たちが毎日力一杯働けるのは、家族のように苦楽を共にして人生の大半を注ぎ込んでいる社員同士の繋がりがあってこそです。
その思いから、2010年1月、新たに基本理念を追加しました。
全従業員とその家族の幸福を追求するとともに
その幸福に気づいて感謝できる心を育み
社会の成長発展に貢献する
この基本理念は、私たちの判断のベースとなるものです。まずは従業員の物心両面の幸福がなければなりません。それはご家族を含めた幸せです。
どんなに優秀で能力がある社員でも、家族の幸福なくして仕事に打ち込むことなど出来ません。冒頭でご紹介した弊社のクリスマスパーティもその一環です。
振り返ってみると私たちは家族に支えられ、仲間と共に困難を乗り越えてきました。
人生は素晴らしく、希望に満ち溢れています。私たちの先には素晴らしい人生が開けているのです。
将来に夢と希望を抱いて、毎日の地道な努力を弛まなく積み重ねていきたいと思います。
多様化する個人の価値観の影響も受け、千差万別
”皆様の組織の経営理念や社訓・社是はどのように組織に浸透されていますか?”
顧客へ訪問し、話の流れでこのような問い掛けをしてみますと様々な反応が見られます。
「困ったときには判断の物差しとする」、「入社した時には既にあり、特別な意識はなかった」 ・・・など様々です。
医療機関や介護施設の方々は専門職集団であり、それぞれの思いがあり皆さん職業を選択し、ライセンスを取得されています。
そして仕事を通じて患者や利用者の皆様にお役に立ちたいという思いで業務をされている方が大半ですが、それを実現するためのプロセスやアプローチ方法などは、多様化する個人の価値観の影響も受け、千差万別です。
組織のベクトルの一致と、顧客に尽くしたいという気持ち
ただ、経営理念や社訓・社是などが浸透し、職員の方のベクトルが一致している組織は、明らかに従業員満足度も高くなります。
従業員満足度が高いということは、それだけ顧客に尽くしたいという気持ちが強くなるものです。これは組織分析の結果にも、現れているように思います。
経営理念とは、決して形式的な「標語」ではありません。
経営理念や社訓・社是を基に、自法人のミッション、ビジョン、バリューなどを話し合う場を持たれたら、そこには新たな発見があるかもしれません。
組織のベクトルが合う組織とは、職場が自己実現の場となる組織だと思います。
経営理念の浸透が、最高の組織が醸成されるスタートラインになるものと確信しています。
本稿の執筆者
先崎 浩(せんざきひろし)
株式会社 日本経営ホールディングス 取締役
1994年日本経営に入社。医療機関のコンサルティグを中心として、財務・経営指導、経営改善、戦略立案などの多種多様な経営ニーズに応え、全国の国立大学をはじめ公的病院から民間病院まで多数の指導実績。神戸大学大学院法学研究科前期課程修了。2017年12月より現職。(公社)日本医業経営コンサルタント協会会員 認定登録 医業経営コンサルタント登録番号第7165号。
本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
関連するセミナー・サービス
2019年12月12日、令和2年度の税制改正大綱が公開され、認定医療法人制度が3年間延長される見込みとなりました。タイミングが合わずに断念された医療法人様も …
将来の病院建替えのために、いま何をしておくべきか、アドバイスがほしい。 病院内に経験者がいないので、プロジェクトに加わって推進を支援してほしい。 …
JCI認証に関するセミナー、教育・研修プログラムに参加したい。 現状分析を通して、JCI認証が可能かどうか、目利きをしたい。 JCI認証の登録審査に近い形式で …