【お客様インタビュー】稼働率99%を生んだ現場の「自律」データと本音の対話で導いた収益改善
担当コンサルタントが聞く
介護福祉事業所でのコンサル活用のポイント
- 介護福祉施設
- 収益向上・経営改善
- 経営戦略・事業構想
- 301人~500人
稼働率向上と収益改善の鍵は、本音の対話と現場に寄り添う伴走支援
介護福祉事業所を複数運営する社会福祉法人 正和会様とは、2015年に開始した人事制度の構築を皮切りに、約10年にわたりさまざまな改善活動に取り組んできました。2021年4月からは顧問契約を結び、経営面での助言から実務的な支援までトータルなサポートを提供しています。また、2023年12月から2年間かけて取り組んだ「安定経営のための計画支援」では、高い伴走力を活かし、稼働率向上と収益改善に貢献しました。本記事では、こうした取り組みの背景や具体的な成果、さらにコンサルティングを効果的に活用するためのポイントについて、理事長の飯田様にお話をうかがいました。

事業者名:社会福祉法人 正和会
所在地(都道府県):奈良県
事業内容:介護福祉施設の運営 (介護老人福祉施設、ケアハウス、グループホーム、介護老人保健施設、デイケア、通所介護事業所、居宅介護支援事業所、小規模多機能居宅介護)
従業員数:約400名
URL:http://www.seiwakai-gojo.or.jp/
●課題
・データに基づいた「納得感」を生む意思決定の支援をしてほしい
・内部では「撤退・再生」は論理的な判断が難しいため、中立的な立場で組織の団結力を高めてほしい
● 解決策(支援内容)
・他法人データや客観的な指標を用いて、経営層と現場の双方が納得できる解決策を提示
・定例会議を軸に、事業所の垣根を越えた対話の場を設け、経営の想いを浸透させるとともに、現場のポテンシャルを引き出す仕組みを構築
● 成果
・施設の稼働率が向上(一部の老人保健施設で稼働率98%、99%を実現)
・法人全体の収益が改善
・自律的な組織風土の醸成
コンサル導入の経緯と支援内容
大きな意思決定と組織再生に向けた包括的な支援
日本経営 向井(以下、向井) :本日はインタビューにご協力いただき、ありがとうございます。正和会様のご支援は2015年からとなりますが、当初はどのような流れでコンサルタントにご相談いただいたのでしょうか?
正和会 理事長 飯田様(以下、飯田):正和会は1994年、当時県下では珍しかったケアハウス併設の特別養護老人ホームとして事業を開始しました。わからないながらも皆で懸命に取り組み、徐々に地域の皆様に支持される施設へと成長してきたころ、新たな課題が生まれました。人材育成や処遇に関わる部分です。職員たちが納得のいく教育制度や人事考課制度の構築を目指して模索する中、総務のトップが参加した外部研修で日本経営さんと出会いました。他にコンサル会社を知らなかったこともありますが、介護業界に特化していたこととフィーリングが合ったことが決め手となり、今のご縁につながりました。
向井:以来10年にわたり、さまざまなテーマでご相談をいただいておりますが、日本経営を選び続けていただいている理由は何でしょうか?
飯田:正和会という法人を十二分に理解していただいているからです。課題を抱えた状態で、一から法人の理念、財務、現場の様子を伝えるのは困難ですからね。ただ、もっと単純にお答えすると、毎回の支援に満足していたので、そもそもコンサルタントを変えるという発想がありませんでした。日本経営さんのコンサルティングを信頼していましたから。
向井:光栄です。ありがとうございます。直近2年間は、法人の持続的な発展に向け、「経営改善プロジェクト」を立ち上げ収益改善に取り組んできました。これまでの活動を振り返っていかがでしょうか?
飯田:長らく収益が安定しない介護事業があり、法人としてどのような戦略が有効か、プロの意見を聞きたくて日本経営さんに相談したのが発端でしたね。職員たちは地域のために事業継続を望んでいましたが、法人全体の財務を考えると、いったん事業を閉めるという厳しい選択も必要な状況でした。結果として事業を閉鎖し、機会を見て再始動をする決断をしましたが、現場からは当然反発の声が上がりました。
組織として大きな決断をした矢先に、人事面でも大きな変化があり、さらに組織の一体感が問われる状況となり、まさに組織の再生ともいえる新しい局面を迎えました。一時は厳しい状況でしたが、現在は職員たちの理解を得られています。これは、日本経営さんが一緒になって丁寧に説明してくれたからだと思っています。
向井:法人として大変な時期だったと思いますが、これをきっかけに職員の皆さんの意識が変化し、結果として良い組織風土が醸成されたと感じています。
飯田:その通りだと思います。特に現場のチーフたちの中で「自分たちが何とかしなくては」という「自律」の意識が芽生えたことは大きいと感じています。そして、その不安定な状態下で空中分解せずに頑張れたのは、確実に日本経営さんのおかげです。毎月数字を追いかけ、課題を拾っては私や職員にアドバイスをしてくださいました。また、月1回の経営改善プロジェクト会議で日本経営さんと顔を突き合わせて会話をすることが、職員にとって良い刺激となり、精神的な支えになったことは間違いありません。細かな事柄に関しては、チーフと個別に話していただく場面も多かったですよね。
向井:そうですね。ただ、職員の皆さんとお話しする際には、事前にどのようにアプローチするかを理事長さんに伝え、意見を伺うことを徹底しました。その結果、理事長さんと職員の皆さんをつなぐコミュニケーションの動線もきちんと確保できたと感じています。
コンサル活用の成果
高いレベルの伴走支援により稼働率と収益が向上
向井:2年間の経営改善プロジェクトの取り組みで、具体的にどのような成果がありましたか?
飯田:まず、施設の稼働率が向上しました。特に老人保健施設では稼働率99%前後を維持しています。収益に課題のあった事業を閉鎖したこともあり、法人全体の収益が改善し、先を見据えた計画を立てられるようになりました。
向井:業界水準を大きく超える稼働率を実現できたのは大きな成果です。稼働率が向上したのは、事業所の機能と職員の皆さんのポテンシャルが開花したからだと感じています。正和会様は複数の事業所を展開されており、これまでは個別採算という傾向がありましたが、今は事業所を横断して連携し、利用者様にとって最適なサービスをご案内されていますよね。



飯田:確かにそうですね。月1回の経営改善プロジェクト会議を機に、事業所を越えた話し合いができるようになり、職員から課題解決に向けた意見が出てくるようになりました。おそらく、そのポテンシャルはもともと持っていたと思いますが、これまでそういう環境を提供できていなかったんですね。会議では日本経営さんがファシリテーターとして「こういう見方もありますよ」と議論を活性化してくださったことが、職員の意欲と行動を後押ししてくれたのだと思います。
また、職員だけでなく、私も意思決定の場面ではかなり助けられました。今回は特に事業を継続するか撤退するかという大きな意思決定が必要でしたから。自分以外のいろいろな人の理想があり、それを叶えてあげたいけれど現実は厳しく、打開策が見えない中での相談でした。他の法人様の事例やデータをもとに客観的な視点で助言をしてくださったり、時に励ましていただいたり。職員と意見がすれ違う場面では、とても自然に橋渡しを行ってくれました。そういう意味では、一番助けられたのは私かもしれません。稼働率や収益など数字で表せること以上に、定性的な成果が大きいと感じています。
向井:ありがとうございます。職員の皆さんの意識改革や理事長さんの意思決定につながるご支援ができたことをうれしく思います。
コンサル活用のポイント
コンサルの真価は使い手次第。本音を話せる相手を選ぶこと
向井:あらためて、日本経営はどのようなコンサルタント会社だと思いますか?
飯田:日本経営さんは「とことんまで付き合ってくれる会社」だと思います。私がとことんやりたいタイプなので、少しでも気になったことは素直に伝えるようにしていました。わからないこと、不安なこと、不満に感じていること、理解してほしいことなど何でもです。それに対して日本経営さんはいつも真摯に答えてくださいました。だから、今の関係が続いているのだと思います。
向井:われわれの訪問時間は限られていますが、その分、法人様のことを考える時間はしっかりと取りたいと思っています。理事長さんだけでなく、職員の皆さんも本音をぶつけてくださり、その場限りではない深い話し合いができたことに感謝しています。その積み重ねにより正和会様のことを想像する時間が増え、それが支援の精度や結果につながったと感じています。
飯田:職員たちも頼りにしていると思いますよ。今も職員から「日本経営さんの意見を聞きたい」というリクエストを受けています。
向井:ありがとうございます。最後に、これからコンサルタントの導入を考えている介護事業所様に向けて、コンサルを活用する際のポイントを教えてください。
飯田:とことん話せる相手を選ぶことです。少し話は逸れますが、時折り外部の方から「コンサルタントは口だけ」なんていう言葉を聞くことがあります。ある意味では正しくて、意思決定や具体的な行動を起こすのは法人側であり、コンサルタントが提示してくれるのは意思決定の判断材料や戦略の切り口、実行支援です。その支援をどう活かすかは、使い手次第なんです。
ですから、もし「コンサルタントが何とかしてくれる」という考えをお持ちの方がいたら、その考えは捨ててほしいと思います。「コンサルタントの能力を余すことなく使おう」くらいの意気込みで取り組まなければ、課題解決は難しいでしょう。とことん話して自分たちを理解してもらい、良い助言をいただいて意思決定に役立ててほしいです。
向井:私個人の見解ではありますが、コンサルティングのゴールは、コンサルタントが関与せずとも法人様が自律的に判断できるようになることだと考えています。正和会様は今その一歩を踏み出していると感じています。
飯田:そうですか、ありがとうございます。日本経営さんが高い熱量と覚悟を持って取り組んでくれた結果ですね。今回の支援では2人のコンサルタントさんとやりとりをさせてもらって、どうやったらそれだけの知識を得られるのか、人として興味を掻き立てられる場面が多々ありました。たぶん、私は日本経営さんのファンです(笑)。正和会はまだまだ発展途上で、のびしろのある法人です。これからも良き伴走者として、お力をお貸しください。
向井:ありがとうございます!そう仰っていただけて、コンサルタント冥利に尽きます。10年前の人事制度構築から始まり、特にこの2年間の経営改善プロジェクトでは、理事長が常に現場のポテンシャルを信じ、私たちにも「本音」で向き合ってくださったことが、全ての好循環の起点になったと感じています。

何より、数字としての成果以上に、現場のチーフの皆様に「自分たちが組織を支える」という自律の意識が芽生え、事業所の垣根を越えた連携が当たり前になったことが、担当として一番の喜びです。これからも正和会様が掲げる理想の実現に向け、最も熱意を持ったパートナーとして、共に歩み続けてまいります。本日はありがとうございました!
介護・福祉施設の経営には、安定的な運営を実現するために大きな決断を迫られることがあります。経営者、職員、地域が納得できる決断をするためには、第三者による視点と丁寧な伴走支援が必要です




