【お客様インタビュー】「制度を作って終わり」にしない。10年経っても現場で生き続ける、人事制度の構築と運用支援
担当コンサルタントが聞く
介護福祉事業所でのコンサル活用のポイント
- 介護福祉施設
- 収益向上・経営改善
- 経営戦略・事業構想
- 301人~500人
職員の成長が、組織の力になる。未来を見据え、形骸化させない人事制度改革に挑戦
2012年、デイサービスの稼働率向上支援から始まった和悦会様とのプロジェクト。2014年からは人事制度の構築・運用支援に取り組み、さらにはグループの税理士法人が会計顧問を務めるなど、トータルで施設運営をサポートしています。人事制度の構築から10年が経った今も、「職員の成長」と「組織力向上」を目指し、柔軟な制度改革に取り組まれている和悦会様。理事長の村本様に、組織作りで大切にされていることやコンサル活用のポイントをお伺いしました。

事業者名:社会福祉法人 和悦会
所在地(都道府県):大阪府
事業内容:介護老人福祉施設、短期入所生活介護、通所介護、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター
従業員数:約300名
URL:https://waetsukai.jp/
●課題
・職員の成長、組織の成長を促す人事制度を構築したい
● 解決策(支援内容)
・人事制度(等級制度、賃金制度、人事考課制度)の構築支援
・人事制度改正事項の検討を含めた運用支援
・考課者研修、管理者研修の実施支援
● 成果
・管理者の施設運営に対する自律心が養われた
・若手人材を含む職員の成長を促せた
・人間関係が育まれ組織力が向上した
コンサル導入の経緯と支援内容
措置時代からの脱却を目指し、職員が成長する人事制度へ
日本経営 宮本(以下、宮本) :本日はお時間をいただきありがとうございます。和悦会様とのご縁は2012年に開始したデイサービスの稼働率向上支援がきっかけでした。当時、どのような経緯でコンサルタントにご依頼いただいたのでしょうか?
和悦会 理事長 村本様(以下、村本):当時の課題は、思ったように稼働率が上がらないことでした。まだ介護保険が始まって間もないこともあり、措置の時代の流れを引きずっていて、自分たちで利用者様を獲得するという発想がありませんでした。社会の変化にわれわれが追いついていなかったのです。
そんな折、日本経営さんの事業所管理職向けセミナーを案内いただき、当時の責任者たちに参加してもらいました。課題は認識できたものの、どう営業活動をすればいいのかわからない。そこで、介護福祉の現場をよく知る日本経営さんにコンサルを依頼しました。

一時期は利用者数が1日15名まで落ち込んでいましたが、支援のおかげで35名まで引き上げることができました。この成功体験があって、人事制度構築支援もお願いする流れになりました。
宮本:ありがとうございます。人事制度構築支援をスタートした2014年当時に抱えていた課題について、あらためて教えていただけますか?
村本:大きな課題は措置時代の体制を引きずっていて、人事制度や教育システムが整備されていないことでした。そのため、職員の能力と等級・給与が見合っていない。職員が施設間交流をしたとき、「こんなに給料に差があるの?」と驚くシーンもあり、組織として危機感を抱きました。
職員に気持ちよく働いてもらうためには、それぞれの能力に見合った仕事を、お互いに信頼しながら取り組める組織にしていく必要がありました。現場からはコミュニケーション不足という声も上がっていたので、人事制度を作るにあたり、職員同士の人間関係を構築しながら、人をどう育てていくかを最重要事項にしました。
宮本:具体的な取り組みとしては、まずプロジェクトチームを立ち上げ、等級制度、賃金制度、人事考課制度を約1年で構築し、翌年に制度を試運転。3年目から本稼働させたといった流れでしたね。現在は人事制度運用のサポートの機会もいただいています。これらの取り組みの中で特に工夫されたのはどのような点ですか?
村本:人事考課の職務評価表を作るにあたり、それぞれの職種に必要な技術を正確に把握する必要があったので、各拠点からさまざまな職種の職員を集めてプロジェクトチームを結成しました。全体に関わる行動評価表については考える範囲が広いため、日本経営さんに考え方をお示しいただいて都度、軌道修正しながらプロジェクトメンバーで構築しました。ここは、自社だけで作ろうと思ったら範囲が広すぎてなかなか難しかったと思います。
あとは、評価される職員が、自分がどのような理由で、どう評価されたのかがわかる仕組みにした点もポイントです。評価の内容は考課者と被考課者の面談の中で説明するので、評価についてお互いに納得をしないと、次の目標を「自分ごと」として捉えられないと思ったからです。
宮本:私は上司、部下間の面談を大事にされているところが、和悦会様の人材育成を重要視している制度の特徴だと感じています。評価の際、どのように職員に伝えるか、言葉の責任を非常に重視されている印象があります。制度の導入時から考課者研修を行ったり、考課者と被考課者にアンケートを取り、その結果を考課者研修に活かしたりと非常に丁寧に取り組まれている印象があります。
村本:そうですね。一次考課者の面談を信頼して上位評価をしていきますから、一次考課者の役割が非常に大きいんです。面談では本人の意思を確認しながら次の目標を設定していきます。なので、一次考課者はまさに職員を成長させる要のポジションでもあります。
私としては、宮本さんから「評価をするときは、行動したか行動していないかという点に注目してください」と口を酸っぱくして言われたのが印象的でした。能力の優劣を評価するのではなく行動を評価することで、成長意欲と人間関係が育まれるんですね。そうすると上司が部下の変化に気づけるようになり、部下は困ったときに相談できるようになります。これが組織力の強化につながります。
私たちの組織作りでは、「職員が誰一人として困らないようにする」というのを大きなテーマにしています。職員が困って一番影響を受けるのは、目の前にいる利用者様です。判断を誤れば事故やケアの質低下につながりますし、業務効率も下がります。つまり、「職員一人が困る=利用者様みんなが困る」ということなんですね。この考え方が人事制度にもつながっていて、今は非常にいい形で回っていると感じています。
宮本:人事制度が単に職員さんを評価する仕組みではなく、職員さんの成長のきっかけとなるツールに昇華できている点が和悦会様の人事制度の特色です。2025年度には管理者研修の支援もスタートし、ますます組織としての一体感が増しました。素晴らしい取り組みだと感じています。
コンサル活用の成果
施設運営を「自分ごと」に。使える制度へと常にブラッシュアップ
宮本:人事制度を構築・運用し、管理者研修を実施したことによって、具体的にどのような成果がありましたか?
村本:一番の成果は、管理者たちが施設を運営することを「自分ごと」として捉えてくれるようになったことです。たとえば各部門のトップが集まる会議を行うと、新人職員から現場のリーダー層(主任・係長クラス)までの情報が、きちんと理事長である私まで集まってくるようになりました。困っていたり課題を抱えていたりする職員がいれば、面談や研修、あるいは配置換えなど、具体的な対応策とセットで各部門のトップが提案してくれます。
また、管理者たちが自分ごととして部下の育成に取り組むと、部下たちの顔つきや行動が変わるんですね。最もわかりやすいのが新人職員です。入職して半年くらいは不安な顔をしていた新人職員たちも、管理者やリーダーが人間性や能力を理解して適切に対応すると、表情に自信や輝きが現れてきます。
宮本:どの法人様も次世代人材の育成は大きな課題ですから、若手人材にまでアプローチできているのは非常に素晴らしい成果だと感じます。そうなると、経営面でもよい影響があったのではないでしょうか?
村本:そうですね。和悦会ではほぼ同じサービスを提供する3つの施設を運営していますが、各拠点の責任者が他拠点の実績を意識するようになりました。特に競わせているわけではありませんが、相乗効果で数字も安定しています。


宮本:10年以上続く良好な経営状態にも如実に現れていますね。また、和悦会様の取り組みで感銘を受けたのが、人事制度を運用しながら必要に応じてブラッシュアップを続けている点です。これはなかなかできることではありません。
村本:常に使える制度、最適な組織体制でいたい、というのが前提にあります。考課者は変わっていきますし、採用にも力を入れていますから人材の構成も年々変わります。人が変われば育成方法も変わりますから、それに合わせて制度を柔軟に変えていくのがいいと思っています。
変化に柔軟に対応できるようになったのも、職員が人事に関して自分ごととして取り組めるようになったからです。逆に、「言われた通りにやっています」というのは、今の和悦会ではあまり歓迎されない行動です。こうした職員の意識変化は、自社だけでは成し得なかったと感じています。制度の構築から運用までを伴走支援してくださったからこそ、得られた成果だと痛感しています。
コンサル活用のポイント
コンサルタントは新しい仲間。対話を通じた伴走支援が鍵
宮本:長いお付き合いになりますが、私たち日本経営グループはどんな会社だと感じていますか?
村本:顧客の意向を確認しながら、それを最大限に具現化するという考えのもとコンサルをされる会社だと感じています。他社のコンサル会社さんの支援を受けたこともありますが、どんどん戦略を打ち出し、引っ張っていくタイプのコンサルタントさんもいらして、それはそれで心強い一面はあります。
しかし、やはり自分たちにも大事にしていることがありますから、それを尊重し、困っていることに対して耳を傾け、解決案を示すやり方が、私たち和悦会には合っていました。対話を通じた伴走支援が、今回の最大の成果である職員の自律心の醸成につながったものと確信しています。
それと、打ち合わせの際、私たち経営層と話したあと、必ず職員たちとミーティングをしてくれますよね。それが職員たちにも響いています。ご提案いただいたことを現場の人間が実践し、何らかの結果を生み、自信につながっていることは間違いありません。

宮本さんはコンサルタントという外部の立場ではありますが、新しい仲間だと私は思っています。たぶん、職員も同じ思いですよ。
宮本:寄り添う姿勢は日本経営グループが大切にしていることのひとつですから、そこを評価いただき大変うれしく思います。最後に、これからコンサルの活用を考えている法人様に向けて、コンサル活用時に必要な心構えなどがありましたら教えていただけますか。
村本:まずは、自社の課題を自覚することが大切です。そのうえで、将来像をきちんと描けているかが重要になってきます。そうしないと、コンサルタントのアドバイスを活かすことができません。
コンサル会社を選ぶときには、課題を投げかけてみて、自分たちが理解できるような方法を提案してくれるか、という点を判断基準にされるといいかと思います。気になるコンサル会社があれば一度依頼をして、合わないと感じたら次のコンサル会社を探すという考え方で私はいいと思っています。一緒に取り組んでみないとわからないことがたくさんありますから。
実際、デイサービスの稼働率向上支援をお願いしたとき、「どんな仕事をされるコンサル会社だろう?」というお試しの気持ちがありました。結果は大成功となり、この会社であれば人事制度構築という大きなプロジェクトも一緒にやっていけるだろうと。
現在は人事制度の運用をサポートいただいていますし、経営戦略支援もお願いしています。2014年から日本経営グループの税理士法人に会計顧問もお願いしていますから、信頼はとても厚いです。
宮本:ありがとうございます。人を大事にする法人としての考え方、職員の方々の前向きな取り組みに刺激を受け、私たちにとっても貴重な体験となっています。今後も引き続き良き伴走者として事業発展のサポートを行えたら大変光栄に思います。本日はお時間をいただき、誠にありがとうございました!

時代と共に制度や考え方は変化します。人事制度や研修をやって終わりではなく、時代に合わせた変化を続けていくことが、組織の成長にもつながるでしょう。
私たちは人事制度の構築にとどまらず、その後の定着や改革もご支援いたします。
専門家集団である日本経営グループの多角的な支援体制のもと、各法人の専門領域をクロスオーバーさせ、経営を網羅的に支えます。




