コンサルタントの視座・着眼「毎朝8分間の全員清掃」

2019.04.05

毎朝8分間の全員清掃

日本経営グループ メディキャスト株式会社
専務取締役 井垣剛太郎

役員も新入社員も関係なく、ぴったり8分間の全員清掃

弊社の天王洲アイルオフィスでは、毎朝「8分間の全員清掃」という取り組みを何年も続けています。

朝礼後に、役員も新入社員も関係なく全員が約10班に分かれて、タイマーを持ってぴったり8分間オフィス全体を清掃します。

オフィスは約450坪あり、それなりに広いのですが、この取り組みのおかげで、ご来社された方々も驚かれるきれいなオフィスになっています。

5つの清掃活動ポイント

この清掃活動のポイントは5つです。

1) 全員でやること

職場という全員にとって大切な環境を整備するのに担当などない、という考え方から、役員も支社長も全員が参加します。オープンな社風の醸成に一役買っていると感じます。

2) 部署別にしないこと

東京支社管轄の全部署の社員がひとつの輪になって朝礼をするのですが、朝礼終了後にその立ち位置のまま端から順に約10班に区切っていくので、毎朝、部署を越えた様々な社員とコミュニケーションができるという副次効果もあります。

3) 時間を区切ること

わずか8分ですので、業務への支障はほとんどありませんし、集中して一生懸命清掃をすることになります。集中すれば8分でもかなりの清掃ができます。

4) 清掃場所を固定しないこと

自分がどこの清掃をするかは、朝礼の立ち位置で毎回変わりますので、普段は出入りしない他部署の室内を清掃することもあります。これにより、自分の周囲だけでなく、社内すべてに関心を持つことに繋がっているように感じます。

5) 掃除用具を人数分整備しておくこと

清掃用具一式を、班毎に清掃場所まで持っていけるよう10セット(班の数)用意しています。清掃用具を常に使える状態に整備しておくのは環境美化委員が担当してくれています。

清掃の効用

清掃の効用については、様々な書籍などでも紹介されていることですので、ここでは割愛しますが、毎朝そこに集う人々と共に清掃をするということは、単に働きやすい環境を創るということのみならず、心身を奥底から整える効果も実感しています。

人が組織を構成し、組織で事業をしている以上、一人ひとりの心身が整えば、それは必ず業績などにも反映されるでしょう。

来るべき令和の時代、職場も心も美しく、皆さんの心を合わせて、新しい時代を創っていきましょう。

本稿の執筆者

井垣剛太郎(いがき ごうたろう)
日本経営グループ メディキャスト株式会社 専務取締役

1995年、株式会社日本経営入社。医療機関の組織活性化コンサルティングに従事。その後、民間急性期病院への出向、産婦人科病院の常駐コンサルティングを経て、1998年から厚生労働省の外郭研究所である財団法人医療経済研究機構(当時)に出向、国の研究事業に多数関与。日本経営に復任後は、厚生行政関連メディアや医療IT化の支援事業など様々な事業開発を行い、2008年より自部門を分社され現職に。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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