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介護の業務改善「その会議、1か月で何時間?」ICTで変える介護現場の時間割

  • 業種 介護福祉施設
  • 種別 レポート

介護の現場では、日々多くの 会議が行われています。こうした会議は、チームとしての連携や判断、方針の共有、利用者の支援体制の整備など、施設運営において非常に重要な役割を担っています。
現場の方々も、「会議が多い」と感じながらも、それが必要であることは重々承知しているはずです。だからこそ、単に「減らせばいい」「やめればいい」とは誰も思っていない。けれど、もしその会議の運営が、少しでも効率的になったなら…資料や議事録の作成に かかる負担が軽くなったなら…その変化は、現場における時間の質や心の余裕に直結するのではないでしょうか。

「会議を減らす」のではなく、「会議の運営を効率化する」。この視点こそが、今の現場にとっての“業務改善の入り口”になるかもしれません。

介護施設では、こんなにも多くの会議が行われている

以下は、介護施設で日常的に行われている会議の一例です。施設によって名称や頻度、役割は異なりますが、会議の多様さや業務の一端を垣間見ることができるのではないでしょうか。

【現場運営・連携系】

  • フロア会議
  • ユニット会議
  • 朝夕の申し送り

【中間管理職・部署連携系】

  • リーダー/主任会議
  • 管理職会議
  • 他部署との連携会議
  • 職員会議

【専門職チーム系】

  • 医務、リハビリ、栄養調理などの専門職別会議

【業務評価・方針決定系】

  • サービス担当者会議
  • 入退所検討会議
  • 自宅復帰アセスメント会議

【施設運営・経営系】

  • 運営会議
  • 経営会議

【委員会・テーマ別改善系】

  • 感染対策委員会
  • リスクマネジメント委員会
  • 行事・研修委員会 など

このように見てみると、毎週・毎月行われている定例会議だけでもかなりの数にのぼり、それぞれの会議において、参加メンバーの調整や目的の共有、資料の準備、記録の作成など、多くの対応が求められていることがわかります。

▶ 介護職員数を最小化し、生産性を向上させる|業務改善の導入事例

会議は減らすのではなく、効率化することで業務改善につながる

たとば、1回60分の会議に5人が参加すると、合計で5人時間 が使われることになります。これを月に10回開催したとすると、50人時間=約7勤務日分の労力が使われている計算になります。
この「会議一つひとつは負担にならないが、全体では大きな負担になっている」という構造は、現場で働く方々が実感しづらいものの、経営や管理の視点では非常に見逃せないポイントです。
会議の内容を変えるのではなく、「運営のしかた」を見直す。それだけでも、現場に与える余裕や安心感は大きく変わるかもしれません。
効率化といっても、単に時間を短縮することだけを指すのではありません。準備や記録といった裏側の作業が軽くなることで、参加者は話し合いに集中でき、議論をあとから振り返る際の材料もすぐに取り出せるようになります。その結果として、質の高い会議につながるのです。

ICTの活用による会議効率化の可能性

近年では、ICTツールやアプリが飛躍的に進化し、現場でも使いやすく、コストを抑えて導入できるようになってきました。かつては高価で操作も難しかったものが、今では無料で始められるものや、スマートフォン一つで使えるツールも登場しています。
議事録の作成や 情報共有といった「負担ではあるが欠かせない」作業についても、ICTの活用により効率的に行える環境が、少しずつ整っています。

会議効率化に活用できる具体的ツール例

介護現場特化型ツールむすぼなAI: 介護・医療従事者向けの生成AIサービス。介護事務サポートに特化したAIサービスで、介護現場で日常的に必要となる計画書、帳票、報告書といった各種書類の作成が、あらかじめAIサービスメニューとして登録されており、すぐに利用できる点が特徴。会議で決定した内容を基にした帳票作成や、担当者会議議事録など、介護固有の文書作成をAIが支援することで、記録業務の負担を大幅に軽減。
汎用ツール・アプリLINE WORKS: 職員間でのグループチャットやファイル共有が手軽にできるビジネスチャットツール。会議前のアジェンダ共有、会議中のリアルタイムな情報共有、会議後の議事録配布などに活用されており、職員間のスムーズなコミュニケーションを促進する。

その他にも特別なスキルや機材がなくても導入できるツールは多数あります。使い慣れたスマートフォンやPCを活用し、現行の業務スタイルを大きく変えることなく、支援的に取り入れられるツールです。

また、こうしたツールを「場の実情に即して導入・定着させることで、会議の効率化にとどまらず、さらなる業務改善へと広がる足がかりにもなります。

「介護テクノロジー導入支援事業」補助金の活用で導入のハードルを下げられる可能性も

自治体によっては。介護テクノロジー導入支援事業」を通じて、業務効率化に資するICT機器の導入を支援する制度を設けています。

こうした制度の中には、記録支援や情報共有に活用できるツールが補助対象に含まれた例もあります。ただし、対象範囲は自治体によって異なるため、詳細は各自治体の制度内容をご確認ください。

※申請締め切りや要件は、都道府県によって異なります。詳しくは各都道府県の情報をご確認ください

現場に根づく業務改善

「会議の効率化」は、実は「現場でも取り組みやすく、成果も見えやすい改善テーマの一つです。日本経営では、こうした現場の声に基づいた業務改善に取り組んでいます。

会議の多さや形骸化の背景を把握するための業務可視化
ムリ・ムダ・偏りをなくすための改善提案
ICT導入の検討や、施設に合った無理のない運用支援

こうしたサポートを通じて、現場の働きやすさと、施設全体の運営力向上を目指します。会議の効率化は、目に見える効果が実感しやすく、関わる職員の満足度向上にもつながります。ひとつでも「これは変えられるかもしれない」と感じた部分があれば、それは改善のきっかけとなります。

まずは、小さな気づきから。日本経営の業務改善チームでは、現場に合った業務改善を一緒に考えてまいります。

コンサルタントによる業務改善支援

\業務改善専門チームにお任せください/

業務の見える化支援
どの業務に課題があり、どの機器をどの目的で導入するべきかを明確にします

◆導入後の活用設計・業務フロー再構築
介護ロボット・ICTが現場にフィットするよう、業務の整理・導線の見直しを支援します

◆スタッフへの活用研修・定着支援
「触ったことがない」「どう使えばいいか分からない」などの不安を解消し、機器が活用できるよう支援します

活用のための体制づくり支援
介護ロボット・ICTを現場で使い続ける体制構築をサポートします

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本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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