2021年1月火災保険料率改定!「放置すれば、必要以上のコストになることも」
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業種
病院・診療所・歯科
介護福祉施設
- 種別 レポート
2021年1月火災保険料率改定に対応する
株式会社日本経営リスクマネジメント / 課長 松村俊介
2019年の値上がりに続き、2021年1月にも火災保険の保険料率が改定される。
料率改定ではどうしても保険料が上がる地域に注目が集まりがちだが、実は下がる地域もある。
建物の「①所在地」、「②構造」、「③用法」、「④補償内容」によって保険料率改定の影響も変わるため、自法人にとってどのような影響があるのか、ぜひ事前に検討をお勧めしたい。
見直しでメリットが出るケース
以下ようなケースでは、今回の火災保険料率改定にあたり見直しをするとメリットが出る可能性があります。
- 長らく火災保険を見直していない
- 毎年、火災保険の更新は保険代理店からの連絡を待っている
- 一つの代理店に任せている
- 更新をする際に相見積もりをとっていない
- 長期契約になっているはずだが、次の更新はいつか把握していない
このように定期的に見直しやメンテナンスがされていないケースでは、保険料に必要以上のコストをかけてしまっていることが散見されます。
見直しをすることでメリットを出せるのか出せないのか、ご検討されることをお勧めします。
保険の掛け方の見直しで、保険料削減効果が出ることも
実際にメリットが出せたA法人の事例をご紹介します。
A法人は火災保険の補償内容についてはよく理解されていましたが、3つの場所に点在している病院の各々に火災保険をかけていました。
補償内容もしっかりしていましたし、全ての建物に保険もかかっています。そのままでも全く問題ない状況でしたが、見直しの余地があるか相談を受けました。
「補償に対する考え方や保険加入の視点を変えると保険料の削減が出来るかもしれません。一度、証券分析をしてみましょうか」
メリットがなければそのままでいいし、メリットが出せれば契約を組み直したい。
証券をお預かりし分析した結果、年間50万円の保険料削減を実現できることが分かったのです。
具体的に火災保険のどこを見直せばよいのか
ところで、いざ火災保険を見直そうとすると、いくつか問題や疑問が生じることがあります。
- 満期がいつか分からない
- 具体的に何を見直したらよいのか?
- 代理店に聞いても、特に新しい提案はない
- 火災保険は、どこで見積もっても大きな違いはないのではないか
このような問題や疑問は、多かれ少なかれどの法人でも聞かれることです。
私たちは全国の病院・介護福祉施設で火災保険の見直しを積極的にサポートしています。どこに課題があってどう見直せばよいのか、契約形態や事業規模などを踏まえてポイントを押さえ、効果的に見直しのご提案をすることができます。
火災保険料率改定の背景と継続的な見直し
最後になりましたが、今回の保険料率改定がなぜ行われるのか。その背景だけ触れておきたいと思います。
2018年には近畿地方、2019年では関東地方での台風、2020年では九州地方を中心とする大雨で川が氾濫するなど、毎年のように日本全国で大規模災害が発生しています。それに伴い、損害保険会社の保険金支払いも増大しています。
今回の料率改訂は、2018年に近畿地方で大規模な損害を出した台風の影響を受けています。このときは保険会社から1兆5,000億円の支払いがなされました。
現在も様々な形で災害が増えており、今後も保険料率の改定が続くかもしれません。
火災保険は一度加入すると、あまり見直しをされていないケースもあるようですが、いざというときに下りてくる保険金は、事業の行く末を大きく左右します。
今回の保険料率改定を機に、定期的に火災保険の検討をする仕組みを整えていただくことをお勧めします。
このレポートの解説者
松村俊介(まつむら しゅんすけ)
株式会社日本経営リスクマネジメント コンサルタント
医療マーケットを主軸とした保険代理店営業を統括。お客様のリスク診断・保険の提案及び保険商品の販売業務、リスク管理のコンサルティングに従事。延べ500件を超える医療機関への提案経験をもとに、事業と個人のキャッシュフロー分析、お客様のライフステージに応じた最適なご提案を得意とする。
本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
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