コンサルタントの視座・着眼「世代を越えて全力でご支援」

2019.05.27

永続発展を願い、世代を越えて全力でご支援していく

株式会社 日本経営ホールディングス   常務取締役 白石正和

資産形成(運用)が難しく、資産の承継(移転)が難しい国

最近つくづく、「日本は本当に税金の高い国だ」と思うようになりました。

事業承継・相続対策コンサルティング事業の運営に関わるようになって、ますますその思いを強くしています。

特に、事業を営んでいらっしゃる経営者の方々、相応の資産を保有していらっしゃる資産家の方々には、本当に「酷」で「気の毒」な税制だと思います。

個人の所得税・住民税の合算で、最高税率は55%。フローの段階で厳しい税率が課されて、残った資産(ストック)に対しても、最高税率55%の相続税。

そんなに沢山の税金を払っても、誰も褒めてくれない。資産家や経営者の皆様の声をお聞きするたびに、心苦しくなります。

また、リーマン・ショック以降、デフレ脱却のために超低金利政策、いわゆる「ゼロ金利政策」が採られてきました。

お金は借りやすくなりますが、預金金利は文字通り、ほぼ「ゼロ」。物価を考えれば、資産がどんどん目減りしている実感をお持ちのことと思います。

しかも、この施策はしばらく継続するしかなさそうです。

税制を考えても金利政策を考えても、今の日本は、世界の中でも資産形成(運用)が難しく、資産の承継(移転)が難しい国だと思うのです。

引き継ぎたくても引き継げず、現金化できない自社株に課税

現在、日本には約380万の会社があると言われています。

うち、上場企業は3,600社余り、大企業と言われる会社まで含めても1,1万社余りです。

つまり、ほとんどは非上場の中小企業なわけです。

その中小企業の経営者の高齢化は深刻で、「70代」、「80代以上」の経営者年齢の割合は年々増加、今では50%を超えているというデータもあります。

さらに、帝国データーバンクの調査結果によると、60歳以上の経営者の約半数が後継者不在。

引き継ぎたくても引き継げず、資産の大部分を占める自社株は、現金化できないにも関わらず高水準で課税されるという問題に直面しています。

相続に伴う大きな資産の移転が、間違いなくこの国の大きな問題に

こうした環境下で、経営者や資産家の方々がその資産を管理・運用し、次の世代に承継していくには、全体を俯瞰した承継戦略が必要になります。

しかし選択に迫られると、そのときの問題意識で部分最適な対応をしてしまったり、先の読めない中で、戦略のない資産運用・資産管理をしてしまったりするものです。

結果的に、大きなリスクを抱えたり、大きなコストを支払うことにもなりかねません。

数年前には団塊の世代の方々の退職が大きく取りざたされました。

そして今後は、この方々の相続に伴う大きな資産の移転が、間違いなくこの国の大きな問題になります。

税務、資産運用、遺言、信託など、それぞれの機能を戦略的・効果的に組み合わせ、継続的にモニタリングしながら進めていく必要性を感じています。

日本という国が、この先も元気で活き活きと、活気に満ちた国になるために、我々に何が出来るか。

これまで培ってきたノウハウや機能を駆使して、新たなサービスを開発しながら、お客様の事業と資産の承継をサポートしていく。

この国の永続発展を願い、世代を越えて皆さんに全力で関わっていく。

世の中に必要とさえる存在であり続ける、組織や自分でありたいと思います。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

本稿の執筆者

白石正和(しらいし まさかず)
株式会社 日本経営ホールディングス 常務取締役

1994年日本経営に入社。リスクマネジメントの専門家として、FP業務・保険代理店の事業化と組織化を推進。品質保証ISOコンサルティング事業の創設・推進を経て、現在、財産・事業承継のコンサルティング事業を担当。営業部門の後進を育成しつつ、部門を横断して全国の事業承継・資産保全・相続対策プロジェクトを推進・統括。2017年12月より現職。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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