お役立ち情報

施設の理解を深めるための医療対応一覧表の必要性

  • 業種 介護福祉施設
  • 種別 レポート

自施設をより知って頂くための営業資料の項目とは

  • 本レポートでは、介護施設における運営実務のポイントについて、現場のコンサルティングの実例を踏まえお伝えする。
  • まずは複数回にわたり、介護施設の稼働率向上について具体策を交えたポイントを解説する。

医療対応一覧表の必要性

前回までのように、施設の概要がわかるパンフレットをお渡しし、コミュニケーションを深めていく中で自施設に興味を持っていただけたら、詳細な情報をお伝えするために渡すいくつか追加の資料を準備する必要があるだろう。

特に必要なのが「医療対応範囲」がわかる資料だ。

自施設で受け入れが可能な疾患や医療体制を明記することで、施設検討者に対しはっきりと「あなたが対象者である」ことを告げることになる。

これは、興味を持ち真剣に検討を始めてもらうために非常に重要なプロセスであると言えるだろう。

※医療対応一覧表例

上記「医療対応一覧表」は正確なものにすべきである。

できないことをできると言えば信頼をなくし、本当はできるのに理解してもらえないと顧客を逃す。

ポイントとしては「進行型疾患」「感染症」「精神疾患」などの区分で分けておくことである。

区分がされていると表も見やすくなり、説明するときも情報が一括されているため手間が省けることになる。

◇進行型疾患◇

進行型疾患とは、明確な治療方法がなく、疾患の進行により現在の身体状態よりレベルが落ちてしまうもの。状態が変化してしまうため、医療ニーズが高い。

例:認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、末期がん等

◇感染症◇

感染症は、病原体が人間の体内に侵入・定着し、増殖することで起こる。感染しても、症状が現れる場合(顕性感染)と、はっきりとした症状が現れない場合(不顕性感染)がある。

不顕性感染者は知らない間に保菌者となって病原体を排泄し、感染源となって感染を拡げる可能性が高いので、しばしば問題となる。

◇精神疾患◇

精神疾患およびその後遺症によって日常生活に支障をきたしている状態であり、日によって波がある。そのため、余力人員が確保できているのか、ケアマネジャーや相談員がどの程度その疾患に理解があるかで対応の可否は変わってくる部分である。

例:知的障害、パーソナリティー障害、統合失調症、神経症、精神作用物質による急性中毒や依存症等

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「サービス案内資料」を整える

「サービス案内資料」とは、パンフレットのような網羅的な施設紹介資料ではなく、イベントレポートやケース事例、報告事項などをまとめたものになる。

主に身内や関係先向けに作成されるものだが、だからこそ日常の様子を伝えるのに格好の材料となる。

サービス案内資料は、誰に伝えるかによって作り方が変わってくる。もちろん個人差はあるものだが、男性は情報やデータによって決定し、女性は写真や雰囲気で判断をすることが多いと言われている。

たとえば、夫婦で旅行に行こうと二人で旅行代理店を訪れたとき、その場では同じパンフレットを渡されることになるが、着目しているポイントは夫婦で全く異なるというのだ。

男性は料金、移動時間、滞在時間、宿泊施設のサービス内容などを文章から読み取ろうとし、女性は場所、観光地、料理、宿泊施設の施設サービスなどを写真から読み取ろうとする傾向がある。そのため、夫婦で話し合いをしてもなかなか旅行先が決まらない。

介護事業所のパンフレットも同様である。

男性が営業相手の場合はシンプルにわかりやすく、できれば結論から伝えられるものを準備すべきだろうし、女性が営業相手の場合は、カラフルで見栄えのよい構成にし、第一印象をよくすべきである。

介護事業所にとっての営業先になる病院や居宅介護支援事業所で対応をしてくれる方は、現状だと比較的女性が多いため、どちらかと言えば女性に向けたパンフレット作りを意識し、例えば写真を多く添付するなどの一工夫を行うことをお勧めする。

営業の実践を前に、まずは自施設の営業準備を整え、いつでも出られるという体制作りについて、ここまでで5回に渡り述べてきた。

次回からはいよいよ実践編として、実際にどのような先にどのような戦略を持って訪問していくべきかを考えていく。第1回目の次回は訪問先の分析を行い、理解することについて進めていく。

レポートの執筆者

沼田 潤(ぬまた じゅん)
株式会社 日本経営 介護福祉コンサルタント

株式会社の運営する介護付き有料老人ホームにおいて介護職員から施設長までを経験後、北京に駐在し海外事業にも従事。2015年に日本経営に入社、主に介護施設における稼働率向上支援、介護サービスレベルの底上げ支援などを担当する。介護福祉士。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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