医療関連企業向け|「ヘルスケアビジネスへの挑戦」セミナーの振り返り ①地域共生社会を創造するために企業ができること

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業種
企業経営
- 種別 レポート
2025年4月18日(金)に弊社主催のセミナー「ヘルスケアビジネスへの挑戦〜未来をつくる新規事業のヒントと成功の鍵〜」を開催し、50名を超える方々にご参加いただきました。当日の講演内容から一部を抜粋してご紹介いたします。
講演テーマ
【第一部】地域共生社会を創造するために企業ができること
講師:株式会社日本経営 部長 太田 昇蔵 氏
【第二部】異業種からのヘルスケアビジネス参入「DXを活用した新規事業のポイント」
講師:KDDI株式会社 サービス・商品本部 シニアエキスパート 田口 健太 氏
【第三部】病院市場への新規参入と商品開発の壁、突破方法
講師:SMAHOS 友澤 洋史 氏
第一部:「地域共生社会を創造するために企業ができること」
第一部では、弊社の太田から地域共生社会の実現に向けた企業の役割について解説がありました。
内容の一部をご紹介します。
令和5年版厚生労働白書では、“つながり・支え合いのある地域共生社会”が掲げられています。高齢化と人口減少が進む社会においては、医療・介護の連携だけでなく、農福連携や通院・通所と公共交通のシェアリングなど、医療・介護・福祉・交通・農業など 業界の垣根を越えた連携によって「地域共生社会」を実現することが重要なテーマとなっています。
一方で、医療の中核である病院を取り巻く環境は、生産年齢人口の減少や人件費・物価の上昇で抜本的な改革が必要な時期に直面しています。特に生産年齢人口の減少については、2040年にかけて東京を除くすべての都道府県で看護師が不足することが考えられ、高齢化に伴うニーズがあっても医療機関が支えられない※という構造的な課題が予想されます。
病院の経営を永続させるためには、再編・統合・連携による「リソースの確保」や「コスト構造の変革」が必要であり、大規模病院グループによる再編・統合や地域医療連携推進法人を活用した連携などが進んでいます。
※医療機関には、 患者数に対する法定の職員配置基準等が定められており、人員が不足すると患者の
受け入れに制限が生じる。
「リソースの確保」や「コスト構造の変革」の実行プロセスを考えると、医療関連企業は、「人」「物」「情報」の流れを代替することにより、 経営の効率化と患者体験価値の向上を実現することが求められています。たとえば人流では交通MaaS、物流では搬送ロボット、情報流ではデジタル化などが該当します。
弊社はこれまで、搬送ロボットの導入によって医療機関の業務がどの程度削減可能かを可視化し、それに基づいて人件費の代替可能性を定量的に算出する支援や、ICTプロダクト投資対効果を定量化し、根拠に基づいた価格を検討するプライシング支援などを行ってまいりました。デジタルを活用する際には、デジタル化が可能な業務とそうでない業務を明確に仕分けたうえで、デジタル化によって得られる成果を人件費などに換算し、具体的な効果として提示することが成功の鍵となります。
今後ますます重要となる地域共生社会の実現に向けて、医療関連企業が果たすべき役割と可能性は大きく、現場の課題に寄り添った実効性のある支援が期待されています。

弊社ではこれまで累計で1,600件を超える病院の経営支援を行ってまいりました。その知見やネットワークを活用し、病院・診療所・介護施設を支える医療関連企業のご支援や新規に参入する企業の支援を行っています。弊社のメイン事業は病院経営コンサルティングであることから、あくまでも病院・介護施設などの立場に立ち、ヘルスケア業界で“真に役立つテクノロジー・サービス”に限ってご支援しています。
ご関心があれば、下記サービスラインナップ・専門サイトをご覧ください。
【医療関連企業向け商品企画・開発支援】
https://nihon-keiei.co.jp/service/enterprise/healthcare-ent/marketing/
【医療関連企業向けサービスラインナップ】
https://www.wic-net.com/images/search/ppt/p-529.pdf
【医療関連企業向け特設サイト】
https://medical-marketing.nkgr.co.jp/
本稿の執筆者
坂本 浩幸(さかもと ひろゆき)/株式会社日本経営 戦略コンサルティング部
株式会社日本経営
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