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役員会の運営/日本経営のケイエイ

  • 業種 病院・診療所・歯科
    介護福祉施設
    企業経営
  • 種別 レポート

(株)日本経営での取り組みや私が考えていることなどを発信していきます。
皆様の経営のヒントや新たなアイデアなどにつながれば幸いです。

日本経営のケイエイ
~役員会の運営~

株式会社 日本経営 / 代表取締役社長 橋本竜也

役員会の運営

当社は、社長である私を含めて5名の役員と1名の監査役という役員構成です。取締役の定年は60歳と定められているので、60歳以降も従業員と同様に再雇用で会社に残ることはできますが、取締役は退任ということになります。私は今年48歳なので「社長にしては若いですね」と言われることもありますが、定年を考えると若いと言えるかどうか。歴代の社長は皆40代で就任しています。

役員定年を60歳としている理由は2つあります。1つ目は、 ボードメンバーを若く保つということです。これについては、役員が権力にしがみつき続けることがないようにするという意味合いもあります。

2つ目は誰もがわかる終点を明確にすることです。私はこの後者の理由が重要だと考えています。役員本人も従業員も役員定年は60歳だと知っています。「いつまで続けるんだろう・・・?」ということは、メリットもデメリットもあると思いますが、役員定年によって終点が明確になることで、ゴールに向けた取り組みを明確にできるというメリットがあります。私自身も最長であと12年あると考え今のうちに何をしなければならないかを逆算で考えています。

さて、当社の役員会の運営は役員ミーティングと役員集中会議で構成されています。
役員ミーティングは毎週月曜日7:30~8:15にオンラインで行っています。会社運営をスピーディーに進めることが目的で、日々の運営事項の決裁、人事関連事項の検討、各種情報共有などを行っています。

役員集中会議は毎月1回、13:00~17:30に対面で行っています。ここでは、毎週の役員ミーティングでは扱いきれない事項の検討や決済を行っています。中期計画の検討、投資判断、外部企業とのアライアンス審議、人事関連事項(昇進、昇給、賞与、表彰等)の決定などがテーマになります。

細かい話になりますが、議事録は閲覧権限を役員に限定したGoogleのドキュメントを使っています。議案は事前に各自がそこに入力し、資料もアクセス権限を役員に限定したフォルダに入れておきます。決定事項等は発議者がその場で入力していくようにしています。これだけでも議題の共有、議事録の作成が非常に効率化されました。役員会は完全ペーパーレスです。

これらの会議スケジュールは従業員にも公開しているので、役員会での判断を仰ぎたい事案などは、申し出てもらえば、いずれかの会議に参加してもらい、その都度審議しています。

当社ではスピード経営を目指しています。オーナシップ型、トップダウン型経営ではない当社で、役員会の判断が遅くて現場の足かせにならないよう、上記のような会議を行っています。

もちろん、役員決裁の範囲内で決裁できることはそれぞれの役員が決裁していますし、管理職への権限付与もできる限り進めています。権限は委譲するものではなく付与するものだと考えているので、あえて権限付与としていますが、今後、当社のレベルを高めていくためにはもっともっと権限付与を進めていく必要があると考えています。まだ十分ではありませんが、各職位の役割を果たすために必要な権限は付与するように段階的に進めています。

役員報酬は基本的には固定報酬と業績連動報酬で構成しています。明確な決定ルールにより曖昧さや恣意性をできる限り排除しており、業績連動報酬は自動的に計算されます。そして、最終的には社長を含む3名以上の報酬委員会で決定となります。

私たちはオーナー企業や同族経営を全く否定していません。ただ、当社は非同族経営を選択して、今日に至っています。

非同族経営において、権力の暴走を防ぎながらスピーディーかつ、チャレンジングな経営をしていくためには、役員会のガバナンスが非常に重要です。当社では、従業員から信頼を得られる構造にすること、役員会決裁の機会を多く持つこと、 チャレンジしなければならない報酬体系にすることで、役員会の機能を高めるように努めています。

ガバナンスに完成形はなく、会社の変化、社会の変化に応じて常に向上させていかなければなりませんので、今後もますます磨きをかけていきます。皆様の会社も自社に合った役員会の運営を常に模索されていると思います。私の発信した内容で参考になることがあれば幸いです。

このレポートの執筆者

橋本竜也
株式会社 日本経営 代表取締役社長
組織人事コンサルタント

1999年入社以来、人事コンサルティング部門にて、クライアントの人事制度改革に携わるほか、不採算企業の経営再建にも従事。コンサルティング実績は上場企業から中堅・中小企業まで150社を超える。「良い経営は人を幸せにする、悪い経営は人を不幸にする」を基本スタンスに、人事コンサルティングや経営顧問を行っている。
<著書>
「チームパフォーマンスの科学」幻冬舎2021年12月
「中小企業の未来戦略を具現化する!組織マネジメント実践論」プレジデント社2022年10月

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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