トップレポート「大きな環境変化の中で、いつもと変わらぬ実績会議」
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業種
企業経営
病院・診療所・歯科
介護福祉施設
- 種別 レポート
大きな環境変化の中で、いつもと変わらぬ実績会議
「 7月中に実施する予定です 」
「 7月中とは具体的に何日のことなんだ!? 」
「 期末までには達成出来る見込みです 」
「 期末までとは具体的に何月何日に達成するということなんだ!? 」
今月の部門別実績検討会議における、とある管理職と社長の平井の会話の一コマです。
日本経営グループでは各事業部の活動内容や目標に対する進捗状況、今後の計画や達成見込みなどについて協議を行う実績検討会議を毎月実施しています。事業部ごとに部門長や管理職が参加し、社長以下管掌役員が一同に集っています。
「仕事には期限を設けることが基本である」
このような話は新入社員研修でも行われていることですが、それをあらゆる活動、計画に徹底して落とし込んでいくこと、隅々までその文化を作り上げていくのは本当に大変なことです。時間も労力もかかりますし、相手や状況次第で結果が読み難いことがあるのも事実です。
しかし、安定して成果を創出する幹部というのはやはり期限に対して共通してシビアですし、そこに実力の差が出てきます。
この「期限」の確認と活動の詰めこそが実績検討会議の要諦といえるかも知れません。
ほとんどすべての計画は見直しに
さて、当社では「四半期先行管理」という共通言語があります。
これは一年を春、夏、秋、冬のように四半期ごとに4つに分け、第1四半期では目標の80%、第2四半期では100%の目処を立て、第3四半期では未来に向けた研究開発や能力開発など充電を行い、第4四半期では来期に向けた計画作りとスタートダッシュのための準備を行う、といった考えです。
9月決算の当社では10月から新事業年度が開始します。
今期は、目標達成の目処をつけるはずの第2四半期に、コロナウイルスの蔓延と一斉休校の発令、研究開発や充電を行うはずの第3四半期に全国緊急事態宣言と自粛要請がなされました。
第2、第3四半期の6ヶ月間、1年の中で凡そ半分にあたる期間において、あらゆる計画は中止又は遅延し、その殆ど全ての活動計画が見直しを余儀なくされました。
そして今は第4四半期に入り、間もなくその初月も終わりに差し掛かっています。今もなお、過去とは大きく異なる環境下であることは承知の通りです。
変えてはならない考え方と習慣がある
大きく変わると書いて「大変」といわれますが、今期これほどの劇的な環境変化を年度初めに読みきることは出来ませんでした。計画の見直しといっても、社会全体が一変する環境変化の中では容易でないことは当然です。
しかし、一年という期間は何も変わりなく、第4四半期が最終コーナーと呼ばれ、その立ち上がりと、テープの切り方が来期を作る重要局面であることは変わりありません。
また立ち止まってみると、期間のみならず、翻って自分達が大切にしている理念や哲学、社会に創出していきたい成果や価値なども何ら変わりが無いことにも気がつきます。
どんな環境であっても変えてはならない考えと習慣があり、それが企業文化といえるでしょう。
だからこそ、このような環境下であったとしても、あえていつもと変わらぬスタンスで、いつもと変わらぬ実績検討会議を、いつもどおりに継続する。その意味を、改めて考え直した次第です。
「それはいつまでに終わらせるんだ」
そんなやり取りにいつものように触れながら。
このレポートの執筆者
小畑隆成 ( おばた たかしげ )
株式会社 日本経営 取締役
病院の人事制度構築やスタッフ教育、労務対応に加えモチベーション向上を軸とした収益改善、業務効率の向上等が専門分野。豊富なコンサルティング実績に加え、単科の専門病院や大規模病院グループ本部への出向経験から、現場の実務と結果の創出にこだわったコンサルティングに定評がある。全国の病院協会、医師会、金融機関等での講演も多数。2017年10月より株式会社日本経営取締役。
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