歯科スタッフの役割分担「担当制か、標準化か?」/歯科コンサルが秒で回答

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業種
病院・診療所・歯科
- 種別 トピックス
A or B 歯科医院経営どっちが正解?
得意分野で担当を分けるか、全員一定レベルのスキル習得か?
#経営戦略 #品質向上 #人材育成
T先生(50歳)は、院内の雰囲気は良いものの、スタッフの能力のばらつきがあることに悩んでいます。T先生の次に取るべき対策としてどっちが正解?
A:スタッフの得意分野を伸ばすよう担当を細分化し、歯科衛生士・助手それぞれが専門性を発揮できる診療体制をつくる。
B:全員が一定レベルのスキルを習得できるよう、歯科医院全体での研修強化やスタッフのローテーション制度を導入する。
「AかBか、どっちが正解?」
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歯科コンサル専門家の回答は?
専門家13名が秒で答えました

A:「スタッフの得意分野を伸ばすよう担当を細分化し、歯科衛生士・助手それぞれが専門性を発揮できる診療体制をつくる」を選択派
- 能力のばらつきを強みと捉え、それぞれの得意領域を作ることをお勧めします。各自が成果を実感できれば、仕事でのやりがいと定着率の向上に繋がります。それぞれ得意なことを担うことで、品質と生産性も安定し、より良い医院づくりへと繋がると考えます。
- 現状の採用難を考えると、全体研修で平均点を伸ばすより、得意領域に目を向けて専門性を発揮する組織作りの方が現実的だと考えます。「院内の雰囲気は良い」とのことですので、人事評価制度を絡めて、スタッフが輝ける場所を作る事が成果に繋がります。
- 歯科医院は診療サービスそのもので差別化しなければ、選ばれにくい状況にあります。医院のファンを作るためにも個々の強みを生かした診療体制が良いと思います。
- 各スタッフが自身の専門性を発揮することで、お互いの業務における相乗効果が増すと考えます。
- スタッフの得意分野を伸ばす事を優先すべきと考えます。そうすることで、結果を出す体制の構築が可能になると考えます。
B:「全員が一定レベルのスキルを習得できるよう、歯科医院全体での研修強化やスタッフのローテーション制度を導入する」を選択派
- ローテーションや研修で業務理解を広げ、全員が共通理解を持つ事で、お互いに協力しやすくなり、業務の属人化も防げます。まずは全員の基礎レベルを揃えなければ、担当細分化しても医院全体の診療品質は安定しないと考えます。
- 得意不得意がある中で役割分担をしてしまうと、退職や休職の際に対応できなくなってしまいます。まずは全員が同じレベルのスキルを習得できるよう、充実した教育体制が必要だと思います。
- 担当を細分化して専門性を発揮できる診療体制づくりは、重要度は高いですが時間がかかります。まずは、早期に取り組めることとして、チームミーティングを取り入れ業務を標準化し、入退職に影響されない体制づくりが必要と考えます。
- 院内の雰囲気が良いのであれば、その強みを活かして、お互いに教え合って、業務を同じようにできるようにすることが、優先されると思います。
- 単に業務の役割分担の話ではなく、チームワークの話でもあります。皆で同じ研修・ミーティングに参加することで、お互いを知る機会になります。一人一人を個別で伸ばすよりも、全体で取り組んでいくべきと考えます。
- 全員ができる業務を増やし業務の属人性をなくすことで、メンバーの入れ替わりの際にも、引継ぎがスムーズに回せるようにすることが、優先テーマだと思います。
- スタッフの能力にばらつきがあるのであれば、まずは、求められる水準を整理し、習得すべきスキル・能力を明確にすべきです。それぞれの専門性を高めるのは、全体が一定レベルに達した上でのステップになると考えます。
- 属人化せずに同じサービスをお客様に提供することは、スタッフの動きを先生が把握・マネジメントできることに繋がります。スタッフ任せ、スタッフ頼みにならないために、業務を標準化することが重要です。
歯科スタッフの役割分担を分ける論点は?
「得意分野で担当を分けるか、全員一定レベルのスキル習得か」。専門家が秒で答えた回答から見えてきた論点は、主に次の3点が挙げられそうです。
スタッフ育成の方向性
Aは「個々の得意分野を極めることでスペシャリストを育てる」。Bは「全員のスキルを一定レベルまで引き上げて均質化を図る」。つまり、スタッフ育成の方向性が一つの論点になりそうです。
組織・チームのあり方
Aは「専門性と生産性は高まるが、人に依存し退職や休職時に対応できなくなる」。Bは「全員が複数業務をこなしチームワークを高めるが、個々の強みが発揮できない」。つまり、チームとしてどのようなあり方を目指すのかが一つの論点になりそうです。
経営の目的と優先順位
Aは「個々の専門性を高めることで、サービスの差別化とスタッフのやりがい向上を目指す」。Bは「業務の標準化と属人化の排除により、早期に安定した診療品質とマネジメントのしやすさを確保する」。つまり、経営の目的と優先順位が、一つの論点になりそうです。
マネジメントはどこに視点を持つかで、判断が分かれます。複数の目線から議論し、数字やマネープランをもとに生涯所得最適化をご一緒に考え伴走できることが、わたしたちの強みです。私たちのサービスやご提案に、もしご興味をお持ちいただけたら、一度オンラインでご一緒に壁打ちしてみませんか。
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本稿は、歯科経営で判断を迫られるテーマに対して、専門家が前提条件なしに直観的な回答を述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。