組織開発のアプローチ「管理職の主体性・リーダーシップをいかに高めるか」
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業種
病院・診療所・歯科
- 種別 ホワイトペーパー
ビジョンや目標に向かって実行する組織を築くには、「よし、やろう」というムードが必要です。そして、ムードを醸成し「未来につながる場づくり」を進めるには、「組織開発」のアプローチが効果的です。
年々増加する管理職に対する不安の声
- 管理職が受け身姿勢である
- 従順で素直だが積極性が足りない
- 自らの意志で目標を立てたり、部署メンバーを率いていこうとする管理職が限られている
病院長、事務長、看護部長より、このようなご相談をいただくケースが年々増加しています。
この状況を突破していくためには何が問われてくるのでしょうか?
今回は、管理職の主体性を高めるためのポイントについて解説したいと思います。
病院の管理職は受け身なのか?
そもそもなぜ病院の管理職の多くは受け身姿勢になっているのでしょうか。
大きな要因の一つとして挙げられるのが、「病院の組織環境の影響」です。
病院の多くは、トップが経営や組織に関する重要な意志決定を全て行い、現場に指示命令をしたり、戦略を現場目標にブレイクダウンして管理職に責任を求めるというマネジメントのスタイルを採っています。つまり、現場を統括する管理職には、トップが意志決定したことを「忠実に従ってもらうことを求めてきた」のです。
病院には様々な資格者が集う診療科・部署が存在し、それらを束ねて同じ方向に向かうようにするのは簡単なことではありません。「トップの一存で事業の成長と拡大を図ってきた」というのが、現実ではないでしょうか。このような病院は全国で多数あります。
現場を見てみても、例えば最も大所帯となる看護部では、看護部長が大きな存在となり、看護師長には「看護部長の指示に忠実に従ってもらうスタイル」を取っているケースが多いと思います。
このように組織という大きな括りで見ても、看護部という括りで見ても、「上の方針に従ってもらう」が基本的な流れとなっていました。
このような環境で、長年にわたって指示や決まり事に従ってきた管理職には、自ずと上層部の考えを探ろうとするマインドが形成され、受け身姿勢が定着しています。自ら考え、行動するという自律したリーダーは、むしろリスクに見られていたかもしれません。
これからは「受け身姿勢のリーダー」がリスクとなる
しかしこれからの時代は、環境変化が著しく「組織が一体となって変化を創り出すことが求められる時代」です。冒頭のように「いつまで受け身なのか」「いつまで事細かく指示をしなければならないのか」という不安の声が挙がるのも、そのためです。
これまでの組織を支えてきたトップ層が世代交代し、「新しいリーダーが求められる時代」には、リーダーが受け身姿勢であることは、経営や組織にとってリスクとなってしまいます。
組織の目線に立って部門や組織全体を良くしていくために、自律的に動き働きかけていくようなリーダーを増やしていかなければなりません。
では、このように求める人材像を変え、主体性の高い人材を育てていくためには、どうすれば良いのでしょうか?
まずはリーダーシップ開発の環境を整える
管理職を中心とするリーダーの意識を変えていくためには、そうなるための新しい環境が必要です。様々な環境整備が必要ですが、「まずはリーダーシップ開発の環境を整える」ことが必須と言えるでしょう。
ここでいう「リーダーシップ開発のための環境」とは、マネジメントや管理職の役割責任といった一般的な知識を学習することではありません。もちろん、基礎知識としてそのような学習環境は必要です。しかし、それでは主体性を育むことはできません。
大切なことは、管理職一人ひとりが自部署をどうしていきたいのかを考えたり、自部署の課題をどのように捉え、その課題をクリアするためにはどうすれば良いのかを問い、それを目標や計画に落とし込んで自らの意志に基づいて実践し、その実践を振り返っていくという能動的な学びの場です。
部門・部署を超えて管理職が定期的に集い、リーダーシップや意志疎通、チーム作りに関するテーマについて、それぞれの状況をシェアする「場」も必要でしょう。グループワークを通して課題設定をしたり、目標テーマを決めたりするなど、相互サポートしながらお互いの実践力を高め続けていく「環境」が必要なのです。このような「場」や「環境」を整えることが、主体性のあるリーダーを増やしていくためにはまず必要となります。
管理職という立場になることだけで、リーダーシップが磨かれることはありません。管理職という職責についた者が、それに相応しい影響力を生み出していくためには、組織環境がそうなっているかを、是非検討なさってみてください。
リーダーシップが磨かれる「環境」をつくる。組織開発というアプローチ。
病院管理職のためのリーダーシップ向上プログラム
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組織開発というアプローチ
- 病院の組織に未来はあるのか?
- 生き生きとした職場を築くための鍵
- 人づくりは「環境」が鍵を握る
- 長引くコロナ禍による医療現場の士気低迷の後遺症をどう脱却するか?
- あなたが求めているリーダーシップ研修はどのレベル?
- 新年度から「力強く前進の流れを創り出す」
- 成果を出すために創意工夫を凝らす
- 管理職の志に火をつけ、部署の活動力を高める「効果的な」目標管理制度とは何か?
- 病院組織に「生気」を取り戻すにはどうすればよいのか?
- 事業計画と目標は、事業の進化と人材の団結・成長を生み出す鍵となるか?
- これからどのようにして病院組織の士気を高め、リーダー人材を育てるか?
- 管理職、監督職のポテンシャルを引き出す
- ファミリー経営の「強み」を活かす
- 管理職なら誰もが直面する“自己超越”という壁
- 戦略・目標を実現するための組織づくり
本稿の執筆者
江畑直樹(えばた なおき)
株式会社ミライバ 取締役
2003年日本経営入社。主に医療機関、福祉施設の組織創りや幹部・管理職・監督職の研修に従事。2018年に株式会社ミライバを設立し、組織開発コンサルティングや人材開発研修の支援を行う。成人発達理論、学習する組織、U理論、インテグラル理論、NVC等の理論をベースとし、首都大学東京専門職大学院や日本社会事業大学専門職大学院では、これら理論を軸とした組織創りやサービス開発等について看護管理者、福祉管理者を対象に授業を行う。
株式会社ミライバ/株式会社日本経営
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