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事業計画と目標は、事業の進化と人材の団結・成長を生み出す鍵となるか?/組織開発のアプローチ

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 ホワイトペーパー

事業計画や目標管理は、組織やチームがどこに向かおうとしているのかを示すことで、職員が一丸となり、新たなチャレンジに向けて一歩を踏み出すことを可能にするものです。しかし、事業計画や目標管理が現場まで上手く浸透していない病院は、少なくありません。

事業計画や目標管理が、現場に上手く浸透しない

3か年から5カ年の中期、また単年度の事業や部門の方向性を取りまとめたものが事業計画や目標管理制度です。未来を描き、組織やチームがどこに向かおうとしているのかを示すことで、職員が一丸となり、新たなチャレンジに向けて一歩を踏み出すことが可能となります。

ところが、多くの病院では、事業計画や目標管理が現場まで上手く浸透していません。病院の経営幹部層にヒアリングをすると、次のような意見がよく聞かれます。

  • 事業計画も部門別目標も作成しているが形骸化している。銀行に説明するためだけのものになっている。
  • 管理職には浸透していると思うが、末端の現場までは浸透できていない。
  • 目標は現場で立ててもらっているが、管理職は自分ごと化していない。
  • 現場は前向きなものとしてではなく、やらされ感になっている。
  • 部門別目標を毎月管理職会議でチェックしているが、数値中心の報告会に留まっている。

事業計画や目標は、職員を動機づけ、団結を創り出す有効なツールです。しかし、使い方(作り方や共有のプロセスなど)を誤ってしまうと、現場の団結とチャレンジ行動を引き起こせないばかりか、職員の不満感情を高めてしまいます。

それでは、何がポイントになるのでしょうか?

事業計画・目標を組織に正しく浸透させるためのポイント

事業計画や目標を組織に根付かせるポイントは、「病院トップ、幹部(部長クラス)、各部署の管理職が、そこに掲げてある内容に、心から実現したいと思えているか」ということです。

日常業務をこなすだけでも精一杯な状況の中で、病院全体或いは各部門が目標に向かってチャレンジを生み出していくためには、リーダーの本気度・情熱が欠かせません。

しかしながら、多くの病院では、この点を十分に考慮せずに事業計画や目標が作成されています。具体的には、「経営を存続させるため」、「利益を確保するため」、「問題を解消するため」という目的のもとで中身が検討されています。これでは、職員の前向きなエネルギーを引き出すことができず、「やらされている」という感覚を持たせてしまいます。

何事も「捉え方」が鍵を握る

人は誰もが、自分がやりたい、大切にしたい、実現したいと思えるものを見つけると、そこに向けて前進していこうとする意志を抱くものです。逆に、経営存続のため、問題をなくすため、というマイナスを0にするための後ろ向きな目的は、受け身姿勢、抵抗感覚を作り出します。

要するに大切なことは、事業計画や目標に対する捉え方です。捉え方次第で、人やチームの意志と行動が180度変わるということです。

そして、この主体性を引き出す捉え方を創り出す上でカギになるのは、「プロセスへの参加」です。

プロセスへの参加が主体性を生み出す

プロセスへの参加とは、事業計画或いは目標を作る過程に、関係者が関与していくということです。例えば、部門別の目標を立てる際は、一方的に目標が示されるのではなく、管理職が集い、各々が当該年度を大きく振り返り、良かったこと・成長できたと思えること・達成できたことと、悩ましいこと・課題として積み残されていること・未達成なことを整理することなどについて、様々なワークやインタビューなどを通して、リーダーとしてどのようなチームを創っていきたいのか、自分が大切にしていることは何かといった想いやビジョンを描いていく場を設けるということです。

職員や各部門に目標を課し、責任を求めることは簡単ですが、与えられたものに対し、人は本気で立ち向かっていこうとはしません。また、目標シートを渡して、期日までに記入してもらうというケースもありますが、本人任せという放任主義も、主体性を引き出すことは難しいです。自分がしっくりくる目標を整理することは簡単なことではないのです。

だからこそ、管理職同士が相互サポートをしながら自分の内面を深く観て、言葉を紡いでいくことを支援する病院側の体制が重要となります。

さらに、事業計画や目標を実行している期間中も、定期的に管理職が集い、お互いの努力や苦労をシェアし、承認・動機づけ・アドバイスをしあう機会を設けることが必要です。心の炎を燃やし続けるためには、与えっぱなし、任せっぱなしではいけないのです。

事業計画や目標が、管理職各々の人生を豊かにしていくためのものとして捉えてもらえるように、様々な仕掛けを準備されることをお勧めします。

  1. 年度末に年度を振り返り、次年度の構想を練ったり、目標やビジョンの考え方や整理の仕方の理解を深める場
  2. 四半期に1度、管理職が集い進捗を振り返り、お互いを労い次の四半期を考える場
  3. 目標を発信したり、部下を巻き込んでいくための考え方を学習する場

など、リーダーを支える研修や場づくりを検討されてみてはいかがでしょうか。

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組織開発というアプローチ

本稿の執筆者

江畑直樹(えばた なおき)
株式会社ミライバ 取締役

2003年日本経営入社。主に医療機関、福祉施設の組織創りや幹部・管理職・監督職の研修に従事。2018年に株式会社ミライバを設立し、組織開発コンサルティングや人材開発研修の支援を行う。成人発達理論、学習する組織、U理論、インテグラル理論、NVC等の理論をベースとし、首都大学東京専門職大学院や日本社会事業大学専門職大学院では、これら理論を軸とした組織創りやサービス開発等について看護管理者、福祉管理者を対象に授業を行う。

株式会社ミライバ/株式会社日本経営

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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