組織活性化・人事評価コンサルティング「周りを元気づけるメッセージ」
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業種
病院・診療所・歯科
介護福祉施設
企業経営
- 種別 レポート
組織活性化・人事評価のコンサルティングレポート
Iメッセージを自然に口にできるリーダー
- 組織の活性度は、意欲と満足によって測定される。
- 本レポートでは、組織活性化・人事評価のポイントについて、現場のコンサルティングの実例を踏まえてお伝えする。
「私は嬉しいよ!」という承認
とある病院に周りを元気づける、魅力的な看護部長がいます。
その方とお話すると、私もとても幸せな気持ちになるのです。
話し方の特徴を見てみました。
すると、周囲の方によく感謝の気持ちを伝えていることに気付きます。
つまり、「承認」です。
承認というと、「よくやったね」「頑張っているね」「すごいね」などほめる言葉がイメージされやすいですが、感謝の気持ちを伝える、ということも十分承認になります。
相手を主語にした「YOUメッセージ」
コミュニケーションにおいては、「YOUメッセージ」と「Iメッセージ」というものがあります。
YOUメッセージは、相手(YOU)を主語にして観察したことや感じたことを伝えるメッセージです。
「(あなたは)よく頑張ったね。」「(あなたは)仕事が正確だね。」というような言い方をします。
ですからYOUメッセージは、相手に対して「評価」をしたようなニュアンスになります。
YOUメッセージは、目上の人に使うことは違和感があります。
一般職員から、「理事長はよく頑張りましたね。」と言うのは、あまり一般的ではないでしょう(笑)。
この違和感は目上の人を敬いましょうという儒教の考え方がある文化圏だからだそうで、欧米では目下の人からYOUメッセージで褒められても、違和感は覚えないそうです。
私を主語にした「Iメッセージ」
これに対して「Iメッセージ」とは、私(I)が主語になって発せられるメッセージになります。
例えば「君のおかげで(私は)助かったよ!」「(私は)すごく嬉しかった!」というような言い方です。
「Iメッセージ」は発信する人の感じ方、気持ちを伝える言い方です。
こちらは伝え手の気持ちを伝えているので、「理事長、私は助かりました。」などと、目下の人から目上の人に伝えても違和感はありません。
小泉純一郎元総理が、怪我を抱えながらも優勝した貴乃花関に対して「痛みに耐えてよく頑張った、感動した!」と発言した言葉は、流行語として多くの方に知られることになりました。
これも、「痛みに耐えてよく頑張った」はYOUメッセージですが、「感動した!」はIメッセージです。
この時、マスコミが取り上げた言葉は、「痛みに耐えてよく頑張った」ではなく、「感動した!」の方でしょう。
Iメッセージが、多くの方の共感を得たのだと思います。
「Iメッセージ」で感謝の思いを伝える
冒頭の看護部長の魅力は、Iメッセージである感謝の思いを伝えていることかもしれません。
「○○さん、資料整理をしてくれてありがとう。こんなに早く片付けてくれることで、私がどれだけ助かったことか。」
「○○さん、素晴らしい研修だったわ。こんなに成長してくれて、私は本当に嬉しい!」
少し恥ずかしくなるようなセリフも、すらすらと自然に言えてしまうのです。
Iメッセージを自然に口にできるようなリーダーに、私もなりたいと思います。
レポートの執筆者
高園忠助(たかぞの ただすけ)
株式会社 日本経営 組織人事コンサルタント
2006年4月入社。病院・介護福祉施設への組織・人事全般が専門分野。2014年11月よりクラウドサービス「人事評価Navigator」の開発に着手し、開発責任者、事業開発責任者となる。2017年4月からの1年間医療機関に出向し、収益改善、組織改革、建替基本構想策定を実施。2018年10月福岡オフィス長に就任。
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