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介護福祉における自計化・月次試算表早期化の実践ノウハウ「経営者のほとんどが、経理体制に不満がある」

  • 業種 介護福祉施設経営
  • 種別 レポート

経営者が考えるべき、経理業務の効率化・改革Vol.02

経理業務の効率化のための自計化・月次試算表の早期化

日本経営ウィル税理士法人 / 峯 和也

経営を円滑にするためには、財務の力が必須。

しかし、ほとんどの法人で、経営に財務を活かしきれていない。

そのため、正確かつ迅速な財務情報を経営に活かせるよう、経理業務の役割を見直すべきである。

そこで、本レポートでは、経理業務の役割の再構築のために必要な対策について順を追って説明していく。

vol.02では、「経理業務効率化のための自計化、月次試算表の早期化実践方法」について採り上げる。

「自計化」と「早期化」とは

「自計化」や「早期化」に聞き慣れない方もいるかもしれません。

「自計化」とは文字通り、会計データなどの入力を外部に委託せず、自法人の経理担当者ですることです。

また、「早期化」とは、試算表など、業績管理帳票の完成時期を早期に実施することです。

経営に経理業務を活かすためには、この2つは非常に重要な原理原則と言えるでしょう。

介護福祉事業における経理業務の課題

これまで、多くの介護事業者の経理体制を見てきましたが、経理体制に満足している経営者は稀だというのが実感です。

何かしらの問題や不満を持たれています。業績の良し悪しに関係なく、経営者の期待に100%応えられている経理体制は皆無に近いのです。

中には、「経理業務」は誰にでも任せられる業務でもないし、職員が少なく、経営陣が強く言えない、試算表の提出を求めても「忙しい」と後回しにされるなど、四半期に一度しか業績を確認できないといったケースもありました。

・経理担当者に分析や助言を求めたが、「できない」「担当でない」と断られる
・経理が提出する試算表が本当に正しいのか、誰も分からない
・もっと早い時期に業績を確認したいが、経理は「できない」の一点張り

このような状況では、当然決算予測や予算管理が出来るわけもなく、財務情報を経営に活かせずに一年を終えてしまうことになるでしょう。

これはレアな事例ではなく、経理業務に対してあるべき行動を求めらないケースは非常に多いのです。

しかし経理本来の役割を考えると、このような状況の改善こそが急務と言えます。

経理本来の役割

そもそも経理とは、「経営管理」の略語とも表現されます。

つまり、経営者が適切な経営判断が出来るよう情報を提供することが、経理業務の本来の役割です。

しかし、日々のオペレーションに忙殺されていると、「取引」「現預金」「支払・請求」といった「過去の情報整理」のみを経理業務と限定してしまっているケースが少なくありません。

まず、この役割意識を変えることからがスタートです。

経営判断に役立つ財務情報を出すことが経理本来の役割なのです。

実際に多くの法人で、月々の業績を試算表、またはそれをベースに作成した会議帳票で確認していることと思います。

経理の業務品質や業務スピードが適切であるか、経営に役立つ示唆があるか、自法人の状況を確認してみましょう。

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経営は生モノだからスピードが命

日々刻々と動く経営は、まさに「生モノ」と言えるでしょう。
鮮度、新鮮さが重要です。

一年前のニュース、一ヶ月前の新聞に価値はありません。
経営者は常に最新情報に気を張り、未来に向けて意思決定をしています。

対応が遅くなると、業績にも致命的な影響が出てしまいます。

試算表や業績などの財務情報は、現場で何が起こっているのか、利用者に適切に喜ばれているのかを確認するための重要なデータです。

経営者は、遅くとも翌月中旬までには試算表・業績を確認して、翌月中に適切な指示を出せる体制を構築すべきです。

「自計化」「早期化」のためのステップアップ

しかし、この「月次試算表」の早期化のためには、まず「自計化」を進める必要があります。

なぜなら、入力業務を会計事務所などに外注していると、どうしても会計事務所主導のスケジュールに合わせざるを得なくなってしまうからです。

そうならないためにも、経理担当者でできる業務領域を増やしていき、自分たちで試算表を作れるようなアドバイスを、会計事務所に要請すべきです。

「自計化」が実現できて初めて「早期化」に取り組むことができます。

「早期化」のためには、まず、社内外のとの連携を整備することになります。

・売上 :請求担当から経理部へより、翌月10日には必ず提出
・人件費:人事部より経理部へ、当月中に必ず締日分をが提出
・経費 :現金主義で早期化、または請求書の発送時期を早めて頂く
    ※業者さんに請求書の早期発送を依頼してみる

月次試算表の作成・報告スケジュールについては、次の3点にも留意する必要があります。

①翌月の中旬(11~20日程度)には試算表が作成できているか
②翌月の下旬(21~末日)には予算実績検討会が実施出来ているか
③試算表は、専門知識を有する方がチェックしたものか

一方、業績についても可能な限り早く、最低でも翌月中旬には確認できるようにしたいところです。

ちなみに私どもも、自分たちの業績は、当月末日に算出し、翌月の第一営業日には全社員に共有されています。
10月の業績であれば、10月31日に経営陣の手に渡ります。

精緻な「試算表」でここまですることは困難かと思いますが、適切な経営判断をするレベルであれば、迅速化は可能です。

その結果、翌月第一週には業績を受けてどう軌道修正するのか、役員層と管理職とでアクションプランを立てることができます。

財務のデータは、タイミングよく提供し続ければ、必ずや経営に活かせます。

まずは「自計化」や「早期化」が実現できれば、ここから実践することを推奨します。

このレポートの解説者

峯 和也(みね かずや)
日本経営ウィル税理士法人
介護福祉事業部

介護福祉業界に特化した財務コンサルタントとして従事。過去100件近くの介護福祉事業者に対して、財務分析、経営改善計画、モニタリング業務などを担当。現在は、ICT技術や管理会計を活用して、業績向上と生産性向上の両立を目指す経営管理体制を構築。介護経営アドバイザー、経営品質協議会認定セルフアセッサー取得。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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