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介護福祉経営コンサルティングレポート「稼働率を向上させるVol.11(実践準備編④)」

  • 業種 介護福祉施設経営
  • 種別 レポート

自施設をより知って頂くためのオリジナル資料を作成する

  • 本レポートでは、介護施設における運営実務のポイントについて、現場のコンサルティングの実例を踏まえお伝えする。
  • まずは複数回にわたり、介護施設の稼働率向上について具体策を交えたポイントを解説する。

資料作成はどのような視点で行うべきか

介護事業所の営業担当者が地域高齢者を支えるために行う「地域の相談員」としての営業活動とは、自施設のアピールのためではなく「地域へのお役立ち」のための外回りだ。

地域の相談員は自施設のアピールを懸命に行わずとも、病院や居宅介護支援事業所の担当者の役に立ち、顔と名前を覚えてもらうことができれば、おのずと施設について興味をもち、調べて貰えるようになる。必要なのはそのときに参考にできる資料である。

訪問先の担当者は、コミュニケーションを取る相手のプレゼン能力ではなく人間性を見る。口達者であることよりも、真摯な姿勢かつ聞き上手であれば、自然と顔と名前を覚えてもらえるようになり、どこの施設の担当なのかが気になっていく。

施設の案内が有効になるのは、そのような関係性になってからのことだ。

そしてそこからも、売り込みのためのトークが求められるわけではなく、必要な情報を必要な分だけ調べて得られる仕組みがあればよい

そのための重要な営業支援ツールとして、パンフレットや医療対応一覧表、施設の案内資料、献立表、相談表などの営業資料が必要となるのである。

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パンフレットの具体的内容とは

基本的には施設で用意されているパンフレットでよい。

そのうち必ず確認されるのが、料金・医療対応範囲・住宅設備についてである。

この3つは必ずパンフレットを見ればわかるようにしておくべきだろう。

1.料金表

料金表は多くの施設の利用検討者によって最初に確認される部分である。そして料金表を見ることによって、利用を検討する先か、対象外かと、無意識に判断を下すことになる。

利用を検討している方が資料を目にした際に、料金表がなかったとすると、判断は「保留」となるかもしれないが、限りなく選考対象外の保留と思われると考えるべきだろう。ほかの施設でひとつでも興味のある先が見つかった場合には、保留にしている検討先を有力候補に加え直すことはまずないと考えるべきであろう。

特に、はじめて自施設の情報を目にする方向けに作成した資料においては、料金表が目にとまるような作りにすることを心がけ、見やすい場所に表示するべきだろう。

2.医療対応範囲

高齢者が生活するうえで、活用することのできる医療サービスは大きな判断材料になる。どこまでの範囲のことができるのか、対象者が必要としているサービスを網羅しているのか、それらを確認できないうちは利用者本人だけでなく、紹介をする立場の方にとっても不安が付きまとうことになるので、その情報提供には大きな価値が生じる。

資料を作成する際は、自分たちが何をどこまでできるのか、わかりやすく示す必要がある。特に医療行為については、介護職員の努力だけでは、できないことを「できる」と言い換えることはできない。

つまり、はじめからできることとできないことが明確に示されていなければ、安心して入居できるようにはならないのだ。

3.住宅設備

どのような住宅設備があるのかで、利用する対象者はがらりと変わってくる。

例えば自分でできることは自分でしたいと思っている方に対して、洗面台だけしか自由に利用できない施設は紹介できない。逆に要介護5の寝たきりの方に豪華なプールやバーがあるところが紹介されることもない。どのような方に入居してほしいのかが明確にわかるように設備情報を示す必要がある

文字・イラストのみのパンフレットや、会社の理念ばかりが前面に押し出されていて施設の情報がよくわからない資料などでは、当然集客にプラスに働くことはない。施設の写真を使わずにイラストのみで表そうとしても、生活をイメージしてもらいにくく、印象としても簡単に作ったという感じが出てしまう。また、理念が全面に出されていると、生活スタイルを強制されそうなイメージが先行してしまう可能性がある。

重要なポイントだが、パンフレットはあくまで名刺代わりと考えるべきだろう。詳細な施設紹介は充分に親しくなってからでも遅くはない。どのようなサービスの営業においても同じことが言えるのだが、基本的な考え方として、営業とは物を売るのではなく自分を売ることのほうが効果は高い。

人は完璧に公平中立な目線で物事を見るわけではない。いくら設備やサービスが良いとアピールしても、信頼性の高い相手や、心から「役に立ちたい」「よく思われたい」と思える相手が優先して選考対象となるのは仕方ないことなのだ。

資料の作りこみについては、施設の象徴的な印象を伝えていくパンフレットのみではなく、その具体的なサービス内容や医療対応範囲の詳細などの補足が、顧客の求めに応じて提出できる必要がある

次回、さらに資料製作の掘り下げについて述べていく。

レポートの執筆者

沼田 潤(ぬまた じゅん)
株式会社 日本経営 介護福祉コンサルタント

株式会社の運営する介護付き有料老人ホームにおいて介護職員から施設長までを経験後、北京に駐在し海外事業にも従事。2015年に日本経営に入社、主に介護施設における稼働率向上支援、介護サービスレベルの底上げ支援などを担当する。介護福祉士。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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