コロナ禍で増えた一人の時間

コロナ禍の2年間で最も変化があったことは、おそらく一人の時間が増えたことではないでしょうか。

緊急事態宣言下では出社もままならず、街中にも人は殆ど歩いていない、お客様への業務提供はリモートで実施等、ほぼ強制的に仕事スタイル、生活スタイルを変えることを求められた訳ですが、このことによって私達は一人で多くの判断をすることを求められました。

この、一人の時間や一人の判断の機会が増えた中で、どうしたらよいのかわからなく不安に感じた人と、自由に自分の人生のキャリアデザインを考えそれを実行した人とでは、かなり差が出来てしまったように思います。

考え方×熱意×能力×戦略

京セラの稲盛氏は、人生の成功方程式を『考え方×熱意×能力』と表現しましたが、私はこれに『戦略』が必要ではないかと考えています。

『戦略』は自分独自の視点で考え、自分が勝てるイメージができ、行動に移せる人でなければ構想ができないように思います。

『戦略』というとギスギスした響きになりますが、言い換えますと「ビジネスや人生で成果を出す考え方」と表現した方が良いかもしれません。単に良い考え方をするだけではなく、成果が出る考え方には独自の視点が必要だと思うからです。

私達が目指すべき自立とは

私が考える自立とは、『論語と算盤』のように一見、相反することをぞれぞれの重要性を理解し、車輪のように同じ大きさで回し続ける力であると考えています。

『最後は力のある人間が対応しなければいけない。』という言葉がよく使われます。この『力のある人間』とは、自立した人間のことであり、自立した人間とは、相反する事を同じ大きさで受容することができる人間だと考えます。

同じ大きさで受容するためには、それぞれの成功体験を経験として体感している必要があります。ビジネスに対する戦略性もあり、同時に人に対する包容力もあるというのが、私達の目指すべき『自立』であるように思います。

戦略性と包容力を兼ね備える

車は、エンジンの力が4つの車輪それぞれに伝わって動く4WDの車種のほうが、厳しい未舗装道路をスイスイ走ることができます。

チームも同様で、一人ひとりが自立して、戦略性と包容力を備え自らの判断で動くメンバーが多ければ多いほど、難しい仕事に対応することができるため、そのチームは最強になります。

戦略だけでは一時的に成果を上げることができたとしても、長期的には継続できません。
継続のためには、必ず自分以外の他者の支援が必要になります。だから人に対する包容力を持つことの大切さにも気付きます。なぜならばその経験を持った『力のある人間』は、他者の力の大きさもよく知っているからです。

働き方が多様になったこれからは、『自立性』のある一人ひとりが、より一層大きな車輪を動かしてくれるようになることを日々願っています。

このレポートの解説者

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

コンサルティング事例・サービスのご紹介