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コロナ禍における医療機関の経営計画の策定

  • 業種 病院・診療所・歯科
    介護福祉施設
  • 種別 レポート

コロナ禍における病院・クリニックの資金調達Vol.7

コロナ禍における医療機関の資金調達 解説

日本経営グループ 資金調達支援センター(医療法人・社会福祉法人)
甲斐田誠一郎

経営計画が原則求められないコロナ融資

8月がスタートしました。多くの医療機関にとって大きな論点だった夏期賞与の支給が終わり、冬に向けて気持ちを切り替えられたところではないでしょうか?

本稿では、これまで6回にわたって医療機関におけるコロナ融資について解説してきました。

今回のコロナ融資の特徴の1つとして、経営計画が原則求められないことが挙げられます。
これにより金融機関の対応のスピードが上がり、医療機関にとっては資金繰りの安定化につながりました。

ただ、求められないから策定しない、果たして本当に良いのでしょうか?

外部環境が大きく変わり、先が見通せない今こそ、経営計画の策定が必要ではないでしょうか?

事業年度の途中であったとしても、多くの医療機関で見直す必要があるでしょう。

コロナ禍における経営計画の論点

コロナ禍における経営計画の策定の主な論点は次の通りです。

①地域社会の変化は?

②新しい生活様式に基づく患者の変化は?

③これからの職員の働き方、マネジメント、人材育成のあり方とは?

④これからのマーケティングや営業活動のあり方とは?

⑤ICT、AI等の新しいテクノロジーをどのように活かすか?

⑥これからの医療機関、各診療科、各部署の重要指標は何か?

①~⑥の論点を、現場の職員と膝を突き合わせて議論、
・できるだけ現場の職員の声を聞くこと
・できるだけ現場の職員が自ら考えること
が大切です。

患者数の予測が難しいですが、複数パターンを作成して、財務計画に展開する必要があるでしょう。

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最初の分かれ目となる経営計画の策定

経営計画を策定した後は職員に共有、これからの方向性を力強く示すことで全体の士気は上がるでしょう。職員との心のつながりの強さが、これからの経営を左右します。

また、求められなくても経営計画を提出する医療機関は、金融機関からの信頼が大きく上がるでしょう。金融機関との信頼関係の高さが、これからの経営を左右します。

コロナ禍における経営計画の策定が、生き残る医療機関かどうかの最初の分かれ目であると言っても過言ではありません。

今こそ、新たな経営計画の策定を!

このレポートの解説者

甲斐田誠一郎(かいだ せいいちろう)
株式会社 日本経営

大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、国内金融機関にて主に金融・不動産業務に従事。その後、外資系ファンドの日本代表、東日本大震災事業者再生支援機構を経て、2014年日本経営グループに入社。入社後は、病院・介護施設の再生業務・資金調達支援業務に従事し、2019年に三井住友ファイナンス&リース、日本政策投資銀行とヘルスケアファンド(サンブルーヘルスケア)を設立、ファンド運営に従事。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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