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コロナ禍における病院・クリニックの資金調達Vol.03「福祉医療機構の特徴とポイント」

  • 業種 病院・診療所・歯科
    介護福祉施設経営
  • 種別 レポート

Vol.03 福祉医療機構の特徴とポイント

コロナ禍における医療機関の資金調達 解説

日本経営グループ 資金調達支援センター(医療法人・社会福祉法人)
甲斐田誠一郎

医療機関の資金調達の選択肢

「Vol.02 資金調達の選択肢と特徴」では、コロナ禍における医療機関の資金調達の選択肢として、4つの選択肢をご紹介しました(福祉医療機構、日本政策金融公庫、商工中金、民間金融機関(保証協会))。この中で、商工中金の中小企業の定義を「従業員100名以下」とお伝えしましたが、正しくは「従業員300名以下」でした。お詫びの上、訂正させていただきます。

この4つ選択肢について「簡易版の比較表」を作成しましたので、ご参照ください(画像をクリックすると、拡大してご覧いただけます)。

福祉医療機構の特徴

福祉医療機構は以下の理由により、優先的に検討する調達先の1つです。対象要件がないことから、特に従業員300人を超える法人は福祉医療機構が適していると考えます。
①融資の上限金額が高いこと(病院は最大7.2億円)
②金利が0.2%と低いこと
③対象要件(従業員〇人以下)がないこと

融資の上限金額ですが、他の調達先は法人単位での上限金額ですが、福祉医療機構は施設単位での上限金額となります。例えば、法人内に病院が2つある場合は最大14.4億円の調達が可能となります。複数の事業所を展開している法人にとって、この違いは大きいでしょう。

また、当初は返済期間10年以内でしたが、5月に15年以内となりました(コロナの影響が長引いたり、第2波による影響が大きくなると、今後も制度の内容が変わっていく可能性があります)。毎月1回は福祉医療機構のホームページにてチェックすることをお勧めします。

留意点としては、拠点が東京都と大阪府の2つしかなく、また対応できる人員数も限られていると推察されます。今回の融資制度は通常審査よりも手続を簡略化しているものの、他の選択肢に比べて調達までの時間を要することが挙げられます。弊社に寄せられている情報では、概ね2~3ヶ月の期間を要しています。

福祉医療機構で融資を受けるポイント

融資を受けることができる条件として、福祉医療機構のホームページには以下の記載があります。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、施設機能の一部又は全部を停止している方
  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、一定程度サービス利用者及び収益が減少している方

福祉医療機構に問い合わせると、院内(患者、職員等)に感染者がいるかどうかは関係なく、約5%以上の収益の減少がある施設が融資の条件になってくるとのことです。これまで福祉医療機構との取引のない医療機関も対象となります。

留意点は、日本政策金融公庫からコロナに関する運転資金の融資をすでに受けている場合は、福祉医療機構のコロナに関する運転資金の融資を受けることができないことです。日本政策金融公庫の融資の限度額が6,000万円となっていることから、資金調達の金額が大きくなる場合は福祉医療機構から融資を受けたほうが良いでしょう。

福祉医療機構の通常の融資と異なる点は次の3点です。

①融資実行後に繰上償還を実施した場合、通常であれば弁済補償金制度が適用されますが、コロナに関する制度では適用されず、繰上償還に伴う弁済補償金を支払う必要がありません。

②有担保での申し込みの場合、通常であれば対象施設の不動産(土地・建物)のみが担保の対象ですが、コロナに関する制度では診療報酬債権を担保とすることができます。

③通常であれば経営計画は必須の提出資料ですが、コロナに関する制度では経営計画は必須の提出資料ではありません。ただし、開設して間もない場合や経営改善が必要と福祉医療機構が判断した場合は経営計画の提出を求められます。

「医療機関の資金調達」バックナンバー

このレポートの解説者

甲斐田誠一郎(かいだ せいいちろう)
株式会社 日本経営

大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、国内金融機関にて主に金融・不動産業務に従事。その後、外資系ファンドの日本代表、東日本大震災事業者再生支援機構を経て、2014年日本経営グループに入社。入社後は、病院・介護施設の再生業務・資金調達支援業務に従事し、2019年に三井住友ファイナンス&リース、日本政策投資銀行とヘルスケアファンド(サンブルーヘルスケア)を設立、ファンド運営に従事。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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