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コロナ禍における病院・クリニックの資金調達Vol.02「資金調達の選択肢と特徴」

  • 業種 病院・診療所・歯科
    介護福祉施設経営
  • 種別 レポート

Vol.02 資金調達の選択肢と特徴

コロナ禍における医療機関の資金調達 解説

日本経営グループ 資金調達支援センター(医療法人・社会福祉法人)
甲斐田誠一郎

医療機関の資金調達の選択肢

コロナ禍における医療機関の資金調達の選択肢は次の4つです。

  • 福祉医療機構(医療貸付における新型コロナウイルス感染症対応のための長期運転資金のお手続きのごあんないは「こちら」)
  • 日本政策金融公庫(新型コロナウイルス感染症特別貸付は「こちら
  • 商工中金(新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口は「こちら」)
  • 民間金融機関(保証協会)(経営の安定に支障が生じている場合の保証制度は「こちら」)
    ※給付金、助成金、猶予制度は除きます。

現在、弊社に寄せられている情報でも、相談にすぐに応じてくれたという話があれば、返答に時間を要した、経営計画を求められて時間を要している、という話もあります。

これは、相談する医療機関の経営状況や、相談先の業務量、個々の担当者の違いによって生じてくるものと推察します。

この状況は今後も続くことが想定されますので、できるだけ早めに、そして多くの選択肢に相談しておく方が望ましいでしょう。

前号「Vol.01 現預金はいつまで持つか」では、資金ショートまでの期間について触れましたが、ご参考までに、期間別の相談のあり方を示すと下記の通りとなります。

資金ショートまでの期間と相談

6ヶ月以下

4つの選択肢全てに急ぎで相談

6~12月以下

4つの選択肢のうち2~3つに相談

12月~24ヶ月

4つの選択肢のうち1~2つに相談

24ヶ月以上

現時点では相談の必要なし

各資金調達の特徴

資金調達の優先順位は、事業規模、必要資金額、スピード、条件等によって異なります。それぞれの詳細は今後お伝えしますが、本号ではそれぞれの特徴をお伝えします(分かりやすく比較するために以下に述べる融資金額の上限や金利等は代表的なものを取り上げていますのでご留意ください)。

福祉医療機構

  • 優先的に検討する調達先の1つです。「融資の上限金額が高いこと(病院は最大7.2億円)」、「金利が0.2%と低いこと」、「対象要件(従業員〇人以下)がないこと」が特徴として挙げられます。また医療機関独自の調達先なので、担当者が業界状況をよく理解してくれていることもあります。
  • 返済期間は当初10年以内でしたが、4月30日に15年以内に変更されました。
  • 留意点としては、拠点が東京都と大阪府のみとなっていることから、特に遠方の場合は時間を要する可能性があることです。

日本政策金融公庫

  • 日本政策金融公庫も、優先的に検討する調達先の1つです。全国に拠点があることからスピーディーな対応を期待できることが特徴として挙げられます。
  • 融資の上限金額は6,000万円(国民生活事業)、金利は1.36%(一定期間減免措置あり)、返済計画は運転資金で15年以内となります。
  • 留意点は、対象となる法人が、①資本金50百万円以下、または②常用に雇用している従業員100名以下、となることです。なお、持分のない医療法人は、②従業員100名以下のみが要件となります。
  • また、日本政策金融公庫からコロナに関する運転資金の融資をすでに受けている場合は、福祉医療機構のコロナに関する運転資金の融資を受けることができなくなるので注意が必要です。

商工中金

  • 商工中金は、融資の上限金額は3億円、金利は1.11% (一定期間減免措置あり) 、返済期間は 運転資金で15年以内となっています。
  • 対象となる法人は、原則、常用に雇用している従業員100名以下 300名以下 、となります。 ただし、商工中金に問い合わせると、商工中金は中小企業をメインで考えており、医療機関は中小企業であるかどうかも含めて個別対応にて判断をしているという返答がありました。したがって優先順位としては低くなると考えます。 (※商工中金の中小企業の定義は「従業員300名以下」です。お詫びの上、訂正させていただきます。)

民間金融機関(保証協会)

  • 民間金融機関(保証協会)とは、保証協会付きで民間金融機関から資金調達を受けることです。保証協会付きの場合は民間金融機関のリスクがなくなることから、融資を受けやすくなっています。
  • 留意点は、対象となる法人が、常用に雇用している従業員300名以下、となることです。
  • 融資の上限金額は5.6億円(セーフティネット+危機関連融資)、返済期間は運転資金で10年以内、金利は保証料は3000万円までは減免措置があり、それ以上は民間金融機関との協議事項となりますが、福祉医療機構のように0.2%という金利水準は難しいでしょう。
  • 民間金融機関(保証協会)は、条件面では福祉医療機構や日本政策金融公庫等の制度融資と比べて見劣りします。ただ、現在、金融庁の要請を受けて、民間金融機関は既存の借入金について、審査なしでの3か月の条件変更、条件変更手数料の免除、事業計画は業況が落ち着いてから後の対応で可、事前連絡があって延滞する場合は信用情報機関に登録しない等の柔軟な対応が出てきています(金融庁  新型コロナウイルス感染症を踏まえた金融機関の対応事例は「こちら」)。また保証協会も、都道府県独自枠を設定している地域があります。したがって、まずは民間金融機関に相談しておくことをお勧めします。

「医療機関の資金調達」バックナンバー

Vol.01 現預金はいつまで持つか

このレポートの解説者

甲斐田誠一郎(かいだ せいいちろう)
株式会社 日本経営

大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、国内金融機関にて主に金融・不動産業務に従事。その後、外資系ファンドの日本代表、東日本大震災事業者再生支援機構を経て、2014年日本経営グループに入社。入社後は、病院・介護施設の再生業務・資金調達支援業務に従事し、2019年に三井住友ファイナンス&リース、日本政策投資銀行とヘルスケアファンド(サンブルーヘルスケア)を設立、ファンド運営に従事。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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