お役立ち情報

各階層に求められる役割・成果/中小病院の人事制度設計Vol.02

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 レポート

戦略を実行できる「組織」をつくる

各階層に期待される役割・成果とモチベーション

  • 人事制度を整備する際は、まず等級制度を見直すことから始まります。
  • 等級制度というのは、能力、職務、役割などの一定に基準に基づいて職員を区分・序列化する仕組みです。
  • 前回、「役職者に求める役割と成果を定義することが重要」と述べました。これを仕組みに落とし込んだものが等級制度です。

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求める役割と成果を仕組みに落とし込む

  例えば、貴院の役職者に対して「あなたの役割は何ですか?」と尋ねると、どのような答えが返ってくるでしょうか。 求める役割と成果が定義され、十分に浸透・理解されている組織であれば、明確な答えが返ってくるはずです。
 しかし、そうでない組織では、「わからない」という回答や、同じ階層でも異なる回答が返ってくることも少なくありません。

組織実行力を高めるためには、まず何をすべきかを示さなくてはいけません。

今回は、「中小病院において、各階層に求められる役割や成果」をテーマに、ポイントをご紹介します。

関連ページ:中小病院の人事制度設計Vol.01「組織実行力を高める4つのポイント」

トップの考えを明文化し、それを実現する

病院組織人事コンサルティング

 人事制度とは、目指したい組織を実現する為の経営ツールです。ビジョンや方針がなければ、人事制度を構築することはできません。

私たちは誰にどのように貢献するのか?
私たちの目指す未来のありたい姿とは?
私たちが大切にしたい考え方や行動とは?

トップの考えを明文化し、それを実現するための人事制度を考えていきます。

トップは、ビジョンと方針を示す

 トップはビジョンや方針を打ち出し、職員の動機づけや方向づけをしていきます。動機づけや方向づけをできるビジョンとは、次のようなビジョンです。

未来志向であること外に向けられたものであること明快であること

 人が動機づけられるのは、過去や現在の問題点ではなく、将来に対する強烈なイメージです。
NASAのアポロ計画が実現したのは、「1960年代中に人類を月に立たせる」という強烈な未来へのイメージがあったからだと言われています。病院経営においても将来目指す姿をイメージできるビジョンが必要です。そのビジョンが自分中心であったり、経営者の利益を目的としたものでは、職員はついてきません。広く社会や顧客に貢献する、ロマンあふれるビジョンに人は惹かれるのです。
 さらに、シンプルでわかりやすい表現でなければ、職員には伝わりません。

幹部(部長級)は、戦略を策定し事業を推進する

 幹部(部長級)は、トップが描いたビジョンが実現するように戦略を組み立て、事業を推進していきます。 人口動態や医療政策などの外部環境や、ヒト・モノ・カネなどの内部環境に常日頃から目を配り、採るべき戦略を明確にします。
 また、現場の動きと各指標の推移を把握し、経営者の代理人として理念・ビジョンを浸透し、事業を推進していきます。

松下幸之助、井深大、盛田昭夫、本田宗一郎、稲盛和夫など、偉大な経営者はみな思想家であり、経営哲学がありました。経営者の役割とは、哲学を語り、人事制度の隅々にまで想いを込め、「これで本当にビジョンを実現できるのか」と考え続けることではないでしょうか。

管理職は、ビジョン・戦略をもとに組織を運営する

戦略を計画(戦術)レベルに落とし込む

病院組織人事コンサルティング

管理職(師長・課長級)にとって大きな役割は、まず、戦略を戦術に落とし込んで行くこと。目標と計画を設定していくことです。 中間管理職は、人事制度においては最もキーになる層です。トップのビジョン、幹部の策定した戦略が組織に浸透するための重要な機能です。

管理職(師長・課長級)の役割は大きく分けて以下の2つあります。

各部署の重要指標の達成管理職としての行動特性

「各部署の重要指標の達成」とは、戦略に対する具体的な戦術目標の設定・進捗管理です。例えば戦略目標の利益率に対して、戦術目標である病床利用率を設定して進捗管理をします。
「行動特性」とは、人材を育成している、他部門と連携している、業務を円滑にするためのコミュニケーションが取れているなど、管理職として求められる行動の実践です。

管理職に求められる能力

管理職には、戦略に基づき正しく目標設定をするための「目標設定能力」や「ロジカルシンキング」が必要です。
また中間管理職としての意見調整や、議論をスムーズに進行するための「ファシリテート能力」、部下を動機付けて推進力を増すための「コーチング能力」、「フィードバック能力」などが求められます。

中間管理職層の役割や権限は曖昧になりがちです。役割と権限の一覧を明示し、やるべきこと、やれることを明確にすることが、実行力を高めるスタートラインです。実績に連動した形の賞与を支給するなど、モチベーションを高める工夫も必要でしょう。

ビジョン・戦略に沿って、戦術・現場の業務を推進する

監督職(主任級)は、プレイヤーかつ戦術推進のリーダーシップ

病院組織人事コンサルティング

ビジョン・戦略に沿って、現場の業務を推進するリーダーシップを取ることが、監督職の役割です。 監督職(主任クラス)は総じて自身の役割を把握できておらず、一般職と同じ仕事を担当しているだけのケースが散見されます。

管理職と同じように、役割と権限を明示してあげると良いでしょう。戦術を実行する際に、リーダーシップを取って推進していくのが監督職です。

役職手当で待遇に差をつけるとともに、専門的な能力開発や、委員会活動等での貢献など、手当や昇給ではなく、表彰という形で報いてあげることもポイントです。「チャレンジ」に対して承認と処遇を行うことが、実行力を高めるために重要なのです。

一般職は、戦術に対して「協力的」に実行する

一般職の役割は、ビジョン・戦略に沿って、戦術に対して「協力的」に実行することです。
「協力的」とはどういうことか、「貢献度が高い」とはどういうことか、期待する職員像を明確にしていきます。

チャレンジチームワーク責任感顧客志向部門目標達成への貢献度仕事の質仕事のスピード

まとめ モチベーション高く「実行」するための仕組み

 トップのビジョンをもとに、戦略を策定し、戦術目標を定め、全員で「実行」していく。
そのためには、モチベーション高く「実行」するための仕組みが必要です。
 等級制度・人事評価制度・処遇制度といった制度から入るのではなく、各階層にどんな役割を期待するのか、どんな権限を与えるのか、どのように酬いればモチベーションが高まるのか、仕事を通じてどのように育てるのか。
  組織や人材への考え方を明確にすることから入ると、筋の通ったものになるでしょう。 日本経営の人事制度コンサルティングは、「実行力」の高い組織作りをサポートして参ります。

レポートの執筆者

中野翔太(なかの しょうた)
株式会社 日本経営 組織人事コンサルタント

中小企業、医療福祉機関のクライアントを対象とした人事制度設計、人材開発、組織開発、キャリア開発など、組織人事領域に関するコンサルティング業務に幅広く従事。全国の病院協会、医師会、金融機関等での講演も多数。

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