トップレポート「運を高める経営」
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業種
病院・診療所・歯科
介護福祉施設
企業経営
- 種別 レポート
運を高める経営
株式会社日本経営 / 取締役 横井 将之
VUCA(ブーカ) の時代
「VUCA(ブーカ) の時代」と呼ばれるようになりました。
VUCAとは、将来の予測が困難になっている状況を意味する造語で、次の4つの頭文字をとったものです。
- Volatility:変動性
- Uncertainty:不確実性
- Complexity:複雑性
- Ambiguity:曖昧性
コロナをはじめとして、将来の予測が困難になっているのは皆同じ、そうであれば、
「運の良い会社・法人が生き残るのではないか」
「運を高めることがより大切ではないか」
そう考えるようになりました。
運をどのように捉えるか
「運」に関する書籍をいくつか読んでみました。すると、次のことが共通して述べられていました。
運が良い人とは、自分は運が良いと強く思っている人
また、名経営者と呼ばれる方が「運」についてどのように捉えているかを調べてみました。
松下幸之助 氏
松下幸之助氏は、「人事万華鏡」(PHP研究所)という書籍の中で次のように述べられています。
私はやはりそうした運といったものがあるという見方に立ったほうが、物事がより好ましい姿で進んでいくのではないかと思っている。
だから人を採用するにしても、登用するにしてもそういうことを加味して考えることが大切だと思う。
松下幸之助氏は、採用面接の最後に必ず「あなたは運がいいですか?」と質問し、「運が悪いです」と答えた人は、どれだけ学歴や面接結果が良くても不採用にしたとのことです。
稲盛和夫 氏
稲盛和夫氏は、「運」について次の言葉を残されています。
よく運が良い悪いと言いますが、運のいい人というのは、考え方が前向きです。
運の悪い人というのは、自分を棚に上げて人の批判ばかりしています。
そういう人は、知らず知らずに運を悪くしています。
では、運が良くなるとどうなるのでしょうか?
田坂広志 氏
田坂広志氏は、「運気を磨く」(光文社新書)の中で、「運気」のイメージについて次のように述べています。
- 「直観」が閃く
- 「予感」が当たる
- 「好機」を掴む
- 「不思議な偶然の一致(シンクロニシティ)」が起こる
- 「一見、無関係な出来事や出会いに、何かの物語や意味(コンステレーション)」を感じる
これらのことは、まさしく「VUCA(ブーカ)の時代」に求められる要素ではないでしょうか?
運を高める経営とは
まとめると「運を高める経営」とは、次の5点であると考えます。
- リーダーは、自分が運があると強く思う
- リーダーは、自分は運があると思っている前向きな人を採用する
- リーダーは、前向きな言葉を職場に発信する
- リーダーは、人の批判を慎む、人の良い所を見るよう職場に働きかける
- リーダーは、直観、予感、好機、シンクロニシティ、コンステレーションに神経を注ぐ
職場全体の「運」を高め、コロナ、そして「VUCA(ブーカ)の時代」に打ち勝っていきましょう!!
このレポートの解説者
横井将之(よこい まさゆき)
株式会社 日本経営 取締役
2000年に株式会社日本経営に入社。人事コンサルティングを経て、2006年に医療機関に出向。現在は医療機関の経営戦略策定、利益改善・M&Aを中心に業務を展開。英国国立ウェールズ大学経営大学院(MBA)卒。2017年10月より株式会社日本経営取締役。
本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
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