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介護福祉経営コンサルティングレポート「稼働率を向上させるVol.08(実践準備編①)」

  • 業種 介護福祉施設経営
  • 種別 レポート

情報収集と分析を行い、地域高齢者のニーズを探る

  • 本レポートでは、介護施設における運営実務のポイントについて、現場のコンサルティングの実例を踏まえてお伝えする。
  • まずは複数回にわたり、介護施設の稼働率向上について具体策を交えたポイントを解説する。

心身機能が低下、介護サービスの需要増

現在は自粛生活中に心身機能が低下してしまったという高齢者の増加にともない、介護サービス需要増の只中にある。

介護施設の稼働率向上は、もはや単なる一事業所の経営改善策ではなく、社会的な使命であると理解しなければならない。

とはいえ、手をこまねいていて定員が埋まるほど稼働率は単純なものでない。

伝えるべきことは先に伝え、介護ニーズの受け皿がここにあるということを示していかなければ、需要がどうあれ数多ある同業の中に埋もれてしまうことだろう。

あらためて、営業力強化の取り組みを進めていくにあたり、まずはその具体的準備について考える機会を持ちたい。

営業に対するイメージ払拭から始める

営業力強化の取り組みには、まずどのような準備が必要なのだろうか。

「営業」という言葉を聞くと、どうしても自施設のパンフレットを抱え、営業可能先がずらりと並んだリスト を片手に手当たり次第に飛び込みで訪問し、断られ、非難の言葉を浴びせられ、疲れて帰れば、上司への報告があり叱責を受ける、のようなイメージが先行し、辛く苦しいものと して嫌な仕事のひとつに捉えられている方も多いのではないだろうか。

まして、介護・医療現場出身の生え抜きの管理者や相談員であれば、なおさら営業の現場から遠いところで育ったこともあり、強いアレルギーがある方も少なくないはずである。

まず、準備としては、そのイメージの払拭から始めなければならない。

成果を出すための「選択と集中」の考え方

営業活動が苦しそうに見えるのは、成果が出ないところを根性でカバーしなければならないという印象が先行しているからであろうか。

求められる成果があって、そこに対する取り組みがあって、取り組んでみて成果が出なければ要因を考え、軌道修正をして新たな取り組みを行うだけのことだ。

ケアプランの短期目標を達成させようとすることと同様である。

歩いてトイレに行きたい利用者がいたとして、成果が出ないからといって、根性で 2 倍、3 倍のサービスを行っても良くなるどころか、むしろ、悪化する可能性すらあることは想像がつくだろう。

必要なことは、成果を出すためには何処に資源を投下するのか、という視点である。

時間、お金、人手という資源が限られている中では、根性で闇雲に、何かに当たるまで動き続けるという考え方では成果につながらない。

必要なことへの「選択と集中」が求められるのである。

そしてそのために必要なことは、まずは選択するための情報収集となる。

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同業者の状況を掘り下げ分析する

介護事業所の営業の「選択と集中」には必要な情報収集には、いくつかの方向性があるが、ここでは、まず、地域近隣の同業者について掘り下げていくことをお勧めする。

同業者の状況を徹底的に掘り下げ、分析を行うことで、相手がどのような戦略を持っているかを知れるだけなく、地域高齢者のニーズの動向やその時々のトレンド、果ては大まかな所得状況まで想像がつくようになる。

是非、可能な範囲から行っていただきたい。

有料老人ホームをタイプに分けて分類する

貴事業所が介護保険サービスである場合、同業の情報収集を行う場合の中心は、厚生労 働省による 「介護サービス情報公表システムhttps://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/」となろう。

しかし、有料老人ホームやその他の保険外サービスの場合は、一元的にまとめられている情報はほぼないに等しい。

従って、独自に情報収集を行っていくしかない。

情報を集めたうえで、分類分けなどを行い、自事業所がどこに属しているのか、主流は、ニッチは、といった動向を把握する必要がある。

以下に、有料老人ホームの主要なタイプ分け例3つを示す。有料老人ホームの運営に関わる方であれば、同業者のリストをこちらに振り分けてみていただきたい。

一般型いわゆる一般的な有料老人ホームの形態。介護保険施設と比較して価格が上回る分、日常的なサービスの質についても高いものが要求される。また特養では対象外となる要介護2 以下の利用者の受け皿としての役割も求められている。
安価型特養や老健でも費用が厳しく、入居を躊躇している方や生活保護を受けているような方、 もしくはサービスをほとんど必要としない自立されている方が対象となる。
医療型 看護師など医療に特化した専門職の配置が手厚い施設。利用者の状態では経管栄養や 喀痰吸引、インシュリンの自己注射による血糖コントロールが必要な方などにも対応できるうえ、日中のみならず夜間も含めて管理できるのも強みである。老健は在宅復帰が求めら れても長期滞在はできず、特養は 24 時間の看護師配置は必須ではないので、そこで受け 切れなかった医療重度の利用者の受け皿として求められているタイプとなる。

いかがだろうか。既存の有料老人ホームが、ほぼこの分類に分けられたことになっただろう。

しかし必要なことは、分類自体ではなく、そこから何を読み取るかである。

次回、この 3 タイプを参考に、もう少し分類の深堀りをした情報の読み取り方を紹介する。

レポートの執筆者

沼田 潤(ぬまた じゅん)
株式会社 日本経営 介護福祉コンサルタント

株式会社の運営する介護付き有料老人ホームにおいて介護職員から施設長までを経験後、北京に駐在し海外事業にも従事。2015年に日本経営に入社、主に介護施設における稼働率向上支援、介護サービスレベルの底上げ支援などを担当する。介護福祉士。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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