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介護福祉経営コンサルティングレポート「稼働率を向上させるVol.14(地域との関係構築編②)」

  • 業種 介護福祉施設経営
  • 種別 レポート

専門職へアプローチ

  • 本レポートでは、介護施設における運営実務のポイントについて、現場のコンサルティングの実例を踏まえお伝えする。
  • また、介護施設の稼働率向上について具体策を交えたポイントも解説する。
  • 今回は、急性期病院への営業活動のポイント。医師などの専門職へのアプローチは可能か、有効かを考察する。

急性期病院の現場の専門家(医師など)への営業

前回は、急性期病院への営業活動において窓口にいるMSWへのアプローチについて述べた。

しかし、本当に効率の良い営業活動を行うのであれば、医療の現場より直接指示をもらうことが理想的であるのは言うまでもない。

医師が回診時などで、

「Aさんはもう退院だね。その後どうしますか?」

「施設を探しているのであれば、知っているところに声をかけましょうか」

などと言っていただければ、その時点で自サービスの利用可能性が飛躍的に高まったと言える。

主治医の意見とはそれだけ患者・利用者への影響力が大きいだけでなく、ケアマネジャーやMSWにとっても鶴の一声となり得る。

もちろんPT、OTなどセラピストからの助言も近いものがあるだろう。
リハビリを含めたサービスの引継ぎ先として選ばれることができれば、利用者本人やご家族の後押しになることは間違いない。

では、はじめから医師やセラピストをめがけて営業すれば良いということにもなるが、そう簡単なことではない。

介護事業所の施設長という立場で「医師に会いたい」と訪問しても、結局は地域連携室のソファに案内されていつものMSWとの面会機会をいただくのみとなる。

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病院専門職と良好な関係を築くためのポイント

では、施設長は病院の専門職とお会いすることはできないのだろうか。

結論を言えば、困難ではあるが不可能ではない。時間をかけ、良い関係性を築くことに注力をすれば、介護事業所の施設長という立場でも、病院の医師から相談を受けたり、直接受入れの依頼を受けたりすることができるようにもなり得る。

実際、そのような病院との関係作りを成功させ、前述のように直接相談を受けたり、医師の回診に帯同することを許されたりというケースもある。

どのようにして関係作りを行ったのだろうか。

実際に、そのような関係作りを地域の中で積み上げてきた施設長から話しをうかがうと、共通するポイントが見えてくる。そのうちのいくつかをピックアップする。

1.エリア内の「地域包括ケアシステムの構築」に主体的に関わろうとしている
2.病院への営業活動には必ず自施設の専門職の帯同がある
3.病院からのニーズを正しく理解し、受入体制を整えている

などが上げられる。下記にて、ポイントごとに紐解いていく。

1.エリア内の「地域包括ケアシステムの構築」に主体的に関わろうとしている

このポイントに関しては、ここまで述べられてきた地域相談員の考え方と通じる。

病院から退院した後に患者はどこに行くべきか、どのようにして自身の希望する生活を取り戻すか。
地域相談員はその考えに寄り添い、病院から退院の相談があれば地域のあらゆる資源を調整して適切なサービスに導く。

そのような地域相談員に施設長や相談員がなることができれば、病院から大きな信頼を獲得できる。
これが、医師やセラピストに繋がる土台となる。

2.病院への営業活動には必ず自施設の専門職の帯同がある

1の土台の上に、最も重要である2の「病院への営業活動には必ず自施設の専門職の帯同がある」が重なることで、ようやく病院との関係作りが深まりだす。

具体的に言うと、看護師もしくはPT、OTが病院営業に帯同できているか、ということである。

施設長自身がそのような資格を持っていれば問題ないが、そうでなければ帯同(同行営業)は欠かすことができない。残念ながら、どれほど施設長に熱意があっても、医療の専門職でなければ病院内部に関わらせてもらえるチャンスはこないと言っていいだろう。

逆に言うと、看護師やセラピストであれば、まずは連携室のMSWと親しくなれれば、いずれ医師やセラピストとの接点が生まれてくる。

そこで、3に繋げられると病院からの相談事は一気に増えてくるのである。

3.病院からのニーズを正しく理解し、受入体制を整えている

シンプルだが、重要だ。

「この患者さん、もう退院できるけど受け入れ先はあるのかな」
「それ、ウチでお引き受けできますよ(お引き受けできるところを知っていますよ)」

と対応できるということである。

自施設の受入体制が、病院の退院患者のうち行き場の見つかりづらいケースを受け入れられるようになっているか、ということだ。

この点ではっきりと「お任せください」と言えるようになった受け入れ先は、特に医師から真っ先に声がかかる施設となる。その後の病院との関係作りは強固になるばかりだろう。

受入体制を強化するには、病院からの声を真剣に受け止める以外ない。

病院からの退院のケースは、困難で受け入れられない場合が多い。それを「他施設にどうぞ」と横にあっさりと流してしまうのか、毎回「どうしたら受け入れられるようになるのか」と真剣に考え続けてい るのかで大きな違いができてくる。

病院の困りごとは、地域の困りごとだ。そこに向き合い、僅かずつでも受入れの幅を広げていくことが病院との関係性を深めていくきっかけになる。

さて、前回と今回で、急性期病院との関係作りについて考える機会を持った。しかし、病院は急性期病院だけではない。

次回は回復期病院との関係作りを考える。回復期病院との関係作りは介護施設にメリットをもたらすものなのか、掘り下げて考えてみる。

レポートの執筆者

沼田 潤(ぬまた じゅん)
株式会社 日本経営 介護福祉コンサルタント

株式会社の運営する介護付き有料老人ホームにおいて介護職員から施設長までを経験後、北京に駐在し海外事業にも従事。2015年に日本経営に入社、主に介護施設における稼働率向上支援、介護サービスレベルの底上げ支援などを担当する。介護福祉士。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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