子ども・子育て支援特別会計を創設、医療機関や介護事業所も「子ども・子育て支援法」の改正への対応を!/約3分で耳ラーニング

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業種
病院・診療所・歯科
介護福祉施設
- 種別 レポート
少子化が進む現代において、子育て世帯を取り巻く環境を改善し、安心して子どもを産み育てられる社会を実現することが求められています。
こうした背景のもと、日本政府は子ども・子育て支援の強化を進めており、その一環として「子ども・子育て支援法」の改正が行われました。
すべてのこども・子育て世帯対象の支援を拡充
本改正では、家庭の経済的負担を軽減し、共働き世帯の支援を拡充することを目的としたさまざまな施策が盛り込まれています。子ども・子育て支援法 は、社会全体で子育てを支え、すべての子どもが健やかに成長できる環境を整備することを目的とした法律です。
今回の改正では、「こども・子育て支援加速化プラン」を着実に実行するために、ライフステージ全般にわたる子育てへの経済的支援を強化し、すべてのこども ・子育て世帯を対象とした支援を拡充するとともに、共働き・共育ての推進に資する施策の実施に必要な措置が講じられます。
育児のための時短勤務にも給付金を支給へ
2025年4月1日以降、育児休業給付の給付率が引き上げられ、子どもの出生直後の一定期間内に被保険者とその配偶者がともに14日以上の育児休業を取得する場合、休業開始前賃金の13%相当額が最大28日間給付されます。これにより、育児休業給付と合わせた給付率は80%、実質手取りは10割相当となります。加えて、2歳未満の子どもを養育するために時短勤務をしている場合の新たな給付として育児時短就業給付を創設し、時短勤務中に支払われた賃金額の10%が給付される仕組みとします。
なお、児童手当、子どものための教育・保育給付、妊婦のための支援給付、乳児等のための支援給付、育児休業等給付に関する政府の経理を明確にすることを目的として、子ども・子育て支援特別会計を創設します。
事務作業の増加を見越して事前に必要な整備を
医療機関や介護事業所では、法改正に伴う雇用保険の加入手続き、求人票や労働条件通知書兼雇用契約書の記載見直し、給付金の受給手続き、離職票の発行などの事務作業が増加することが予想されます。対象となる労働者の数や保険料負担の増加を事前に把握し、必要な整備を進めることが求められます。
<参考資料>
雇用保険法等の一部を改正する法律等の概要≪厚生労働省≫
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001266437.pdf
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案について
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001224965.pdf
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今回の解説
馬渡美智(まわたり みさと)
株式会社日本経営 組織人事コンサルタント
従業員数500名規模の事業所で、総務・人事業務に従事した後、日本経営入社。労務管理体制の調査・整備業務、組織活性化支援、人事制度の導入・運用支援、管理職研修、職員研修等に従事している。自治体の医療人材の流出入に関する調査も実施。社会福祉協議会、各種団体等での講演やセミナーも多数行っている。社内においては、子育てをしながら経営コンサルタントとして働くモデル人材として活躍。社会保険労務士有資格者。
株式会社日本経営
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