お役立ち情報

病院の組織活性化をナビゲート「4.6万人の職員データを分析、組織の活性度を高めるポイントはこのように発見する!」

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 レポート

1年でご利用者 約46,000名のデータから、「医療機関の組織活性度と、活性度を高めるポイント」を分析しました。

  • 対象期間:2020年10月~2021年9月
  • データ数:46,829件
  • 病院数:87病院(医療機能内訳:急性期 46件、慢性期 4件、ケアミックス 15件、精神科 5件、その他 17件)

新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあり、ようやく日常が戻りつつあります。しかし、これまで医療従事者の皆さまは、最前線で絶え間なく新型コロナウイルスと戦い続けてくださいました。

非常事態に疲弊し、職場における組織活性度は大きく下がっているとも考えられます。実際にはどうなのでしょうか? また、いまどうすれば、組織を活性化することができるのでしょうか?

2020年10月から1年間で、 「ES Navigator Ⅱ」をご利用された医療機関の皆さまは、約46,000名。このデータをもとに、私たちは「医療機関の組織活性度と、活性度を高めるポイント」を分析しました。

本来は分析結果は組織ごとに異なるので、組織ごとに分析をしなければ意味がありません。しかし今回は、ES Navigator Ⅱでどのような分析ができるのかを体感いただくため、「46,000名全員が、1つの病院で働いている」と見立てて、1組織としてデータを分析しました。

まずは、ES Navigator Ⅱによる分析結果をダウンロードしてください
↓↓

ES Navigator Ⅱで、組織活性化ポイントが分かる

ES NavigatorⅡは、皆さまが所属する組織の活性度の状態を明らかにすることができる「職員満足度調査システム」です。

組織の活性度を、従業員の「意欲度」と「満足度」の高さの観点から分類し、組織のタイプを4つに分けて結果を表示します。

活性型組織意欲、満足ともに高く、組織の理想的な状態で、活発に活動する組織風土がある状態
従業員奮闘型組織従業員は努力していると感じていますが、満足は十分に得られておらず、頑張りが長続きしない可能性のある状態
温室型組織満足は高いものの、意欲が低い傾向にあり、能動的な動きが少なく、組織が緩んだ状態
不活性型組織従業員は不満が多くなっており、意欲も失っている状態

ES NavigatorⅡの特徴は、組織活性度を分析するだけでなく、「意欲度と満足度を高めるための効果的な要因」も把握できることにあります。どこに手を打てばよいのか、「組織の活性化を効果的にはかるための指標」が提供されるのです。

従業員の意欲度と満足度を高めるためには、「組織の一体感」「適切な人事マネジメント」「仕事のやりがい」の3つの分類が要因となると分析されています。

この3分類(15カテゴリー)を細分化し、全60問の設問を設定して、それぞれの設問について「非常にそう思う」から「全くそう思わない」までの7段階で回答をしていただきます。

すると、この設問に対する回答結果によって、意欲度と満足度に強く影響を与えている設問およびカテゴリーが確認でき、組織活性化のポイントが発見できるのです。

コロナにも関わらず「活性型組織」

87病院、46,829人がご回答されたデータを分析した結果、この架空の病院の組織活性度は「活性型組織」と分析されました。

一堂、大変に驚きました。「活性型組織」 とは「組織の理想的な状態で、活発に活動する組織風土がある」という状態です。この結果から、コロナ禍にあってもなお、医療機関の職員の皆さまは、活性度を損なうことなく現場に当たられているということが浮き彫りになりました。

組織を構成する従業員の分布という観点からも、「活性型従業員(意欲度・満足度双方ともに高い従業員)が集まっている組織」と分析されました。

職員の方々のデータを見ると、意欲度は67.7点と高いスコアになっています。特に「仕事への意欲」が76.2点と高いスコアで、 その「仕事への意欲度」をはかる設問の中でも、「設問①:私は、自分の仕事をより良くしようと取り組んでいる」に対して、87%の職員の方が当てはまると回答されていました。

満足度に関しても、65.5%とこちらも高いスコアとなっています。特に、「部署の一員としての満足」が67.6点と一番高くなっており、その「部署の一員としての満足」をはかる設問の中でも、「設問⑤:私は、自分の部署の一員であることに満足している」に対して、63%の職員の方が当てはまると回答されていました。

意欲度では「仕事への意欲」が最も高い

ところで、ES NavigatorⅡには、 意欲度をはかる設問として下記の3つの設問があります。

①私は、自分の仕事をより良くしようと取り組んでいる
②私は、自分の部署がより良い職場になるよう周り(上司や同僚など)に働きかけている
③私は、当院がより良い組織になるように周り(上司や同僚など)に働きかけている

①は「仕事への意欲」、②は「部署の一員としての意欲」、③は「組織の一員としての意欲」についてはかることができる設問です。これらの設問に関する結果を見ることで、職員の方々がどの部分に意欲を感じているのかを明らかにすることができます。

・今回の結果では、「①仕事への意欲」が最も高いスコアが出ています。ご自身の仕事をより良くするために考え、実際に行動されている方が多かったのではないかと推測されます。アンケートの時期は、まさにコロナ禍の真っ只中でした。
・医療従事者の方々は連日の業務や感染対策で疲弊し、「仕事への意欲」が低い結果となってもおかしくない状況です。にも関わらず高いスコアが出ているということは、ご自身の仕事の意義や業務フローを見つめ直して、どう取り組むか考えることが多かったのではないかと推察されます。
・また連日のように、医療従事者の方々の貢献が報道されました。医療が社会生活における要の1つであることを、強く実感された結果ではないでしょうか。

満足度では「部署の一員としての満足」が最も高い

一方、満足度をはかる設問としては、ES NavigatorⅡでは下記の3つを設定しています。

④私は、自分が担当する仕事に満足している
⑤私は、自分の部署の一員であることに満足している
⑥私は、当院の従業員であることに満足している

④は「仕事への満足」、⑤は「部署の一員としての満足」、⑥は「組織の一員としての満足」について、はかることができる設問です。

・今回の結果ではおしなべて全ての設問が高いスコアを出していました。その中でも、⑤「部署の一員としての満足」が最も高いスコアをだしていることから、所属している部署に対して特に満足を感じている方が多いと推察されます。
・医療機関は様々な職種の方々で構成されているので、部署内での連携の良し悪しは、そのまま医療サービスの質とスピードの良し悪しに繋がります。新型コロナウイルスという未曾有の緊急事態に直面したからこそ、部署というチームの必要性を感じる機会が多くなったのではないかと考えています。

意欲度を高めるには「自己決定感」がポイント

私たちはさらに細かく分析を行い、今後、意欲度および満足度をさらに向上させるためには何がポイントになるかを分析しました。

まず、意欲度に関しては、「自己決定感:仕事を進める上で自分の考えや判断を活かした仕事ができていると実感すること」がポイントであるという結果になりました。

ここでいう自己決定感とは、「仕事を進める上で、従業員が自分の考えや判断を活かした仕事ができているか」という意味です。この得点が高いほど、従業員は自分の判断や意見を活かした仕事ができていると実感しており、やりがいや自信の向上につながると考えられます。

特に、医療職にように専門性の高い職種ほどその傾向は強くなります。したがって、このカテゴリーの得点が低いと、従業員がやりがいを失ったり、諦め感が広がったりする恐れがあるということになります。

・今回の分析では、特に「設問26:私の意見は、周り(上司や同僚など)から大切にされている」という設問の得点が低い結果となりました。この結果を踏まえて職場の体質改善を促すことで、より意欲度の高い組織になると考えられます。
・例えば、管理職における承認型のマネジメントの推進や、会議の場や部下から相談を受けた際に、否定せずに提案をしながら一緒に取り組みを促す進め方をするなど、職員の方々が自分の意見は組織や部署において有用なものになっていると感じられるような組織にすることが必要だと考えられます。

満足度を高めるには「有能感」がポイント

一方、満足度に関しては、「有能感:自分自身の仕事に対する仕事上の自己肯定感を持つこと」がポイントであるという結果になりました。

ここでいう有能感とは、「従業員の自分自身に対する仕事上の自己肯定感を知る」という意味になります。この得点が高いほど、仕事上の自分自身の能力に対する肯定的認識が高く、仕事の充実感ややりがいの向上につながると考えられます。

したがって、ここの得点が低いと、従業員は自己肯定感を得られておらず、やりがいを失ったり、自信を喪失したりして、無気力になってしまう恐れがあります。

・今回の分析では、特に「設問28:私には、自分の仕事をやりとげる十分な能力がある」という設問の得点が低い結果となりました。
・職員の方々が自身の仕事をやり遂げるために、スキルを上げられるような取り組みが必要だと考えられます。
・やみくもに自己研鑽するのではなく、まずは自身に足りていないスキルは何なのか上司や先輩としっかり話し合い、すり合わせることが大事です。例えば、もし人事考課を実施しているのであれば、何に取り組んでほしいのか、そのためにどのようなスキルが必要なのかを具体的にアドバイスしてあげることも1つの方法です。

今回の分析結果から、「約4万6千人の職員の方を一つの病院と仮定した組織」では、意欲度においては「承認型のマネジメント」、満足度においては「上司からの承認、動機づけによる能力開発」のような取り組みをすると、組織活性度の向上につながるということが統計的に読み取れます。

あくまでも架空の組織で行った分析ですが、同じ病院組織としての共通項もあるのではないでしょうか。経営の参考になれば幸いです。

組織ごとに異なる「活性度」と「活性化要因」

外部環境が著しく変化している昨今、職員の方々の「意欲度」および「満足度」の変化は今後ますます重要になります。経営を大きく左右する要因にもなるでしょう。

皆さまの病院では、組織活性度は、現在どのような状態にあると思われますか? 今回の分析結果と同じような結果になりますでしょうか?

繰り返しになりますが、組織の活性化要因は、そこで働く従業員一人ひとりの意識や相互作用によって異なります。皆さまの組織の活性度や活性化要因を調べるためには、皆さまの組織を分析する必要があります。

ES NavigatorⅡは、分析と具体的な取り組みのご提案を7万円(税別)から実施頂けます。活性化のポイントが明確になるとご好評いただき、導入病院も年々増え続けています。

進め方にご不安がある場合は、オンラインでの情報交換もぜひご活用ください。

ES Navigator Ⅱで、どのような分析帳票が出されるのか

ES NavigatorⅡで、組織活性度を高めるための打ち手を探索する

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