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歯科開業で失敗しないための対策と安定経営を実現させるための計画

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 レポート

歯科医院の開業を検討している勤務医の中には、「具体的にどう進めればいいのか」「失敗のリスクはないか」など、疑問や不安を抱く人もいるでしょう。

歯科医院の開業は、流れを把握したうえで準備し進めることが重要です。

この記事では、歯科医院の開業について、スケジュールや必要な手続きについて解説し、開業するタイミングや失敗しないための対策と注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

歯科医院開業までのスケジュール

歯科の勤務医から歯科医院を開業するまでの期間は、新築か居抜きか継承かなどにより異なりますが、立案からオープンまで1〜2年前後が一般的です。

スケジュールは、どのような医院にしたいかプランニング、具体的な事業計画の作成、開業準備の開始、医院の内装工事、オープン前準備、オープン直前、オープン直後、という流れになります。

各工程について、詳しくみていきます。

①歯科医院のプランニングする(1〜2年前)

どのような医院にしたいのか、自分の歯科医院のプランニングをする段階です。開業後をある程度イメージできなければ、成功させるのは難しくなるでしょう。

例えば、患者さんのターゲット層を考えた外装や内装をイメージしたり、ターゲット層の来院が見込めるエリアを決めたりすることは重要です。

オフィス街や駅周辺で会社員をターゲットにするのか、住宅街や商店街などでファミリー層をターゲットにするのかで、医院のコンセプトも異なります。

また、開業資金をどうするのかも重要です。自己資金と融資の割合、両親や親族、知人から支援があるのかなども、ある程度把握しておきます。ただ、自分だけで全てを考えるのは簡単なことではありません。この段階から、コンサルタントや会計事務所など、アドバイスを受けられる専門家への相談も必要です。

②具体的な事業計画の作成(10カ月から1年前)

プランニングした内容に沿って、具体的な事業計画を立てていきます。

自己資金や支援金で不足する開業資金は、日本政策金融公庫や銀行などの金融機関から融資を受けるのが一般的です。

融資を受ける場合、精度の高い創業計画書や事業計画書の提出が求められます。物件にかかる費用や、機器などの設備にかかるお金の具体的な数字を出すには、各業者から見積書の入手が必要です。

また、計画書には開業後の来院数など、具体的な見通しも含めなくてはいけません。創業計画書や事業計画書の作成をスムーズに進めたい場合は、開業コンサルタントや会計事務所などの専門家に相談しましょう。

③歯科開業準備の開始(半年前)

事業計画に沿って、開業準備を開始する段階です。

エリアを決めて物件の契約、医療設備の決定、内装工事の施工業者の決定などをします。それぞれの依頼先が決まれば金額を把握できるので、融資を受ける先を決めるのもこのタイミングです。

④医院の内装工事(開業の4〜5カ月前

コンセプトに沿った、医院の内装工事が始まる段階です。

医院を新築して開業する場合は、このタイミングからオープンまで1年くらいかかるケースもあります。

⑤歯科開業前準備(2〜3カ月前)

内装工事が完了し、医療設備の設置も終わるタイミングです。

医院で働くスタッフの採用や、消耗品と備品の仕入先と契約します。役所に提出する書類や、内覧会の案内の準備を進めるのも、このタイミングです。ホームページを公開し、医院を周知するのもこのタイミングがいいでしょう。また、医院の周辺で利用しやすい歯科技工所を見つけておく必要もあります。

⑥歯科開業直前(1カ月前)

スタッフを採用し、設備機器の設置も完了している段階です。

スタッフ研修を進めて、オープン後のトラブルがないように準備します。

開業には、さまざまな手続きが必要です。役所への申請や保健所の検査、歯科医師会の入会などを行いましょう。また、内覧会もこのタイミングで行います。

⑦歯科開業直後

開業後2カ月は、診療報酬が入りません。この間の人件費や仕入れに必要な経費など、運転資金の準備が必要です。

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歯科医院開業準備で必要なものと手続き

歯科医院の開業には、診療所開設届の提出、保険医療機関指定申請書の提出などの手続きが必要です。ここでは、開業に必要なものと手続きについて解説します。

①事前に相談し不備を防ぐ

手続き前の段階で、事前に関係各所に相談しておくことは重要です。
歯科医院の開業では、開設後10日以内に診療所開設届を管轄する保健所へ提出する必要があります。

ただ、提出した書類に不備があったり、設備などが基準を満たしていなかったりすると、診療所開設届は受理されません。書類や設備に問題があれば、オープンを遅らせるなどの対応が必要になります。

このようなトラブルを防ぐためにも、ある程度の開業準備が進んだ段階で、役所の担当部署に相談しましょう。

②診療所開設届を提出

医院が完成すれば開設はできますが、保険診療を行うには、診療所開設届の提出が必要です。
また、歯科医院開設後、10日以内に保健所へ診療所開設届を提出します。

開設届の提出時は、次の書類なども必要です。

「管理者の歯科医師の臨床研修修了登録証の写し及び免許証の写し」「管理者の履歴書」「診療に従事する、歯科医師の臨床研修修了登録証の写し及び免許証の写し」「業務に従事する歯科衛生士等の免許証の写し」「土地又は建物の賃貸契約書の写し」「敷地の平面図」「敷地周辺の見取り図」「建物の平面図」「ビルのテナントの場合は利用する階全体の平面図」「エックス線診療室放射線防護図」などがあります。

詳細は、管轄する保健所に確認をしましょう。
開設届の提出後、保健所の監視員が歯科医院を実査し、届出事項と食い違う項目はないかを確認します。

③保険医療機関指定申請書の提出

保険診療を行うには、保険医療機関の指定も必要です。
管轄する厚生局に保険医療機関指定申請書を提出します。申請書の提出時は、以下の書類も必要です。

「診療所開設届の副本または受理証明書」「保険医登録票の写し」「開設者の歯科医師の写真を貼付した履歴書」「診療に従事する歯科医師の免許証の写し」「敷地の平面図」「建物の平面図」「見取り図」「エックス線診療室放射線防護図」などです。

詳細は、管轄する厚生局に確認しましょう。

④開業後の税金に関連する手続き

開業する際には、管轄の税務署で「個人事業の開業・廃業等届出書(開業から1カ月以内)」「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」の手続きも必要です。

必要に応じて、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」「青色申告承認申請書(開業から2カ月以内)」「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」を提出します。また、「個人事業開始申告」を都道府県税事務所に届け出ます。

詳細は、管轄する税務署、都道府県税事務所に確認しましょう。

歯科医院を開業するタイミング

歯科医院を開業するタイミングは人それぞれですが、何を基準にしてベストなタイミングと判断すべきなのでしょうか。開業以外にも、自身の家族や人生について考えたとき、なかなか開業に踏み出せない理由がいくつかあります。

1つ目は、自己資金の問題です。「そもそも、初期投資にいくら必要なのか」「開業するための十分な自己資金がない」「住宅を購入したばかりだ」など、お金の問題があります。

2つ目は、事業リスクの問題です。「投資に見合った集患ができるのだろうか」「開業で失敗した事例もあり開業しても大丈夫だろうか」など、事業リスクをどこまで覚悟できるのかという問題があります。

3つ目は、環境・条件などがあります。「立地のよい物件が見つかるのか」「配偶者やご家族の協力がどこまで揃うのか」という問題があります。

しかし、重要なことは、これらの条件が揃うことではなく、豊かな人生とは何かを考えることです。

先生やご家族にとって豊かな人生とは何なのかということです。
条件が揃って開業できる場合もあれば、そうならない場合もあるからです。

勤務医であっても開業医であっても、豊かな人生とは、先生の魅力が発揮できる人生を言うのではないでしょうか。

例えば、夢やビジョンを発信できる情熱がある先生、人の意見を取り入れ状況を考えながら対処できるチームづくりが魅力の先生など、先生の最大の魅力はどこにあるのか、周りのためにそれをどう発揮するのかを考えます。

その上で、マネープランとシミュレーションを行い、先生の描く理想やビジョンがマネープランにどう影響するのかなど、事業計画やマネープランをきちんと描いてから意思決定をするようにしましょう。

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歯科医院を開業する際の相談先

開業する際には、さまざまなパートナーと連携することで、スムーズに準備を進められます。
また、歯科医院を運営していくうえでも、さまざまなアドバイスを受けられるケースも少なくありません。一般的な相談先は、税理士、社労士、ディーラーなどです。

税理士

税理士は、納税に関連することの代行や相談を受けてくれるパートナーです。税理についてはもちろんですが、資金調達や各所への申請などのサポート、経営や将来的な投資のアドバイスも受けられるケースがあります。

社会保険労務士

社会保険労務士は、人事や労務、雇用、年金などの相談を受けてくれるパートナーです。社会保険加入手続きサポートや労働環境についてのアドバイス、人事コンサルティングなども受けられます。

ディーラー

ディラーは、医院で使用する器材などを提案してくれるパートナーです。最新機材の紹介や、業界の最新情報を教えてくれるなど、良い関係を保つことでさまざまなメリットがあります。

歯科医院を専門としたコンサルタント

歯科医院の開業や経営のサポートを専門にしたコンサルタント業者もあります。他のパートナーと異なり、コンサルティング自体が目的なのでサポート内容も濃いのが特徴です。

ただ、税理士や社会保険労務士などと違って、コンサルタントは資格がなく誰でも名乗ることができます。しっかりとしたサポートを見込めるコンサルタントと契約するなら、経験や実績などを確認したうえで検討しましょう。

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失敗しないための対策と注意点

厚生労働省、令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況「医療施設調査」では、次のような調査結果をまとめています。

2018年10月から2019年9月の間、歯科医院の開設数は1,451院、廃止数は1,478院という結果です。
廃止した歯科医院が、開設数を上回っている要因は様々ですが、開業してからかなりの年数が経っている歯科医院の経営悪化や、医師の高齢化なども要因として考えられます。

では、失敗しないための対策や注意点には、どのようなことがあるのでしょうか。

ゆとりのある資金計画

開業後2か月は診療報酬が入りません。ぎりぎりの資金計画で開業すると、オープン直後に人件費や備品の仕入れに必要な経費が不足する恐れがあります。

また、開業準備は全てが順調に進むとは限りません。工事の遅れや書類の不備などがあると、オープンも数カ月遅れることになります。しっかりとした資金計画を立てて、資金にゆとりを持たせておけば、資金不足による失敗を防げるでしょう。

エリアの選定などリサーチ

エリアの選定など、開業前のリサーチは重要です。自分が目指すコンセプトに合ったエリアなのかを中心に、周囲の世帯数や年齢層などもリサーチし、ある程度の収益を予測する必要があります。また、周辺地域にライバルとなる歯科医院はどれくらいあるのかなども調べて、オープンすべきエリアを検討しましょう。

経営者としてのスキルを身につけておく

歯科医院を継続させるには、スタッフの定着率を高めたり、患者さんが来院しやすい環境をつくったりなど、医院全体を考える経営者としてのスキルが大切です。

スタッフの離職率が高いのは、スタッフ個人の事情だけではありません。働きやすい環境を整えるためにも、コミュニケーションをとるなどして、スタッフの不満を軽減することも意識しましょう。

また、患者さんの来院数が少ないのは、他院との差別化ができていないことや、コンセプトがエリアにマッチしていない可能性があります。

開業を目指すなら、勤務医時代から患者さんに選んでもらえる環境とは何かを意識して働くことも大切です。

パートナーに任せきりにはしない

コンサルタントなどのパートナーに任せきりにするのも、失敗につながります。全てを任せてしまっては、経営者としての成長が見込めません。自分が経営者だという意識をもって、自分で決断し経営者として成長していくことが、歯科医院を継続させる重要なポイントです。

安定した不安のない経営を実現するために

歯科医院開業にあたり、自己資金や事業リスクなどの問題もありますが、大切なことは、豊かな人生を実現させるためのビジョンを描くことです。そして、もう一つは、事業計画やマネープランをきちんと描いて意思決定をすることです。

その上で、先生の描く理想やビジョンにギャップがないか、プランとシミュレーションを行います。

新規開業は、勤務しながら開業準備を進めていかなければならないため、多忙な中で根拠なく判断したことが後から大きな足かせになることがないよう、まずは基本計画を立案し、準備が進むにつれて常に計画に立ち返ってブラッシュアップしていくことも大切です。

日本経営グループでは、歯科医院に特化した専門スタッフによる開業支援、業務提案が可能です。

現状の分析と先生の描く理想の姿をヒアリングし、一人ひとりに寄り添った具体的なアクションプランを提案します。また、会計を軸にしたコンサルティングが可能なため、財務的な視点を交えた数字に基づいたデータ分析から業務提供を行います。

開業にあたっての事業計画、マネープランについて「現状を分析してみたい」「目標に向かって今何をするべきなのかアドバイスが欲しい」など、歯科医院開業に向けてのご相談も承っております。

マネープランについては、ごく簡単なプランを立ててみるだけでも、課題がどこにあるのか把握することができます。ぜひお気軽にお問合せください。

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