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準備期間ゼロ!でも出来たDSウリの追求/介護福祉の人財成長のリアル

  • 業種 介護福祉施設
  • 種別 レポート

営業強化にセールスポイントの明確化は不可欠。しかし、これまでデイサービスのウリを意識せずに運営を続けてきたため、いまさらのように特色を打ち出そうとしてもうまくいきようがない。

どうすればよいのか、頭を抱えたそのとき、受け取った一枚の講座チラシ「セールスポイント強化塾」。

管理者と相談員を受講させたその日から、デイサービスは見違えるように経営状況をV字回復させていくのだった。

いったい、なぜそのようなことが実現できたのか。

デイサービスでは何が起きていたのか!?

順風満帆な運営を続けていたデイサービス

「デイサービスセンター夕日丘(仮名)」は定員40名の特別養護老人ホーム(特養)併設型デイサービスである。

設立25年。私が理事長として社会福祉法人を立ち上げた際に作られた施設だ。

設立当初より地域の支持を得られ、大きな競争の波に揉まれるということもなく、ほぼ一貫して定員いっぱいの運営を続けることができたことは、もちろん努力もしてきたが、幸運もあったのかもしれない。
私はその状況に甘んじることのないよう、常に攻めの姿勢を貫いてきたつもりだ。
節目のタイミングにおいて、特養の全体改修と合わせてデイサービスの大規模修繕も実施した。
適度な負荷を背負い、心機一転気合を入れ直して責めの運営を続けようという意思を表したのが、つい3年前の話だった。

しかし今、事態は思わぬ方向に転がっていった。

好調な運営に思わぬ落とし穴が…!

四半世紀維持してきた稼働率はここにきて半減し、経営は大赤字となった。
他の事業所の黒字を食いつぶすほどの大打撃である。一体、私たちの施設に何が起きたというのだろうか。

転落のきっかけは新型コロナウイルス感染症の大流行である。

その猛威については、私がここで申し上げるまでもないものであるが、加えて私たちの法人にとってはタイミングが悪かった。
設備のリニューアルの出鼻をくじかれる形で、感染が拡大していったのである。
特にデイサービスの被った打撃は大きかったのは、すでに述べたとおりである。

とはいえ、私はこの状況を、自然災害だからと言って諦めるつもりはなかった。
すくなくとも、設備投資で抱えた負債の不渡りを早々に出すわけにはいかない。
私は感じている危機感を全管理職に伝え、緊急事態宣言中からデイサービスのセンター長(管理者)、相談員と入念な打ち合わせを繰り返し行い、緊急事態宣言明け早々に稼働率を取り戻すプランを練ることにしたのである。

営業強化でも上がらない稼働率

緊急事態宣言明け。早速、デイサービスからは営業活動強化の取り組みが開始された。

営業強化戦略といっても、デイサービスにできることは限られている。
すでに作成済みの感染対策強化を盛り込んだリニューアルチラシを抱え、とにかく1件でも多くの居宅介護支援事業所(居宅)を回ること。
センター長と相談員には現場に入らせずに、とにかく外回りに専念させることにしたのである。

そうは言っても、地域のデイサービスといえば「デイサービスセンター夕日丘」と言わしめた施設である。
一度近隣居宅を網羅すれば、問合せが殺到してくるだろうと高を括っていたところがあった。
しかし蓋を開けてみると、3か月経過しても、半年が過ぎ去っても、一向に利用者数は増えないのである。
半年の成果としては稼働率が50%から60%に回復したのみだった。

何が起きているのか。私はその結果を見て背筋に冷たいものが落ちるのを感じていた。

営業活動の現場で気づかされた課題

センター長と相談員から状況を確認すると、その原因の一端は理解することができた。

まず、営業訪問が思うように行えていなかった。
アポなしの訪問では嫌な顔をされ、アポを入れようと電話をすると体よく訪問を断られてしまう。
気持ちよく訪問をさせてもらえるのは、先方にデイサービスの案件がタイミングよく入っていた時くらいなものである。
しかも、それで訪問したとて、利用が決まるのとは別問題だった。
なぜなら、その少ないパイを争って、他のデイサービスからも問合せが殺到していたからである。

デイサービスの利用控えが続く中、利用者獲得の競争率は格段に跳ね上がっていたのだ。

ウリがないので営業できない!?

それでも、コツコツと地道に営業を続けていれば、どこかで芽が出ていたのかもしれない。
しかし、もうひとつの課題として、センター長、相談員のモチベーションが低下し、営業訪問数そのものが先細りし、ついには直近では、ほとんど外回りが行えていない状況にまでなってしまっていたのである。

なぜか。

聞けば、営業を行えば行うほど何を伝えて良いかわからなくなり、断られ続けていることから自信も失い、営業活動が苦痛になってしまっていたとのことだった。

つまり、デイサービスのウリがないので、営業に行けなくなってしまったのである

営業機会が限られる中、訪問や連絡の際に求められるのは、時間的効率だった。

つまり、長々と自施設のアピールポイントを伝える時間をもらうことができないので、端的に、伝えるべきことを分かりやすく伝えるという工夫が必要となったのである。

ところが、それが難しい。

自施設の良さを端的に伝えると言われても、何を伝えて良いのかが全く分からないのだ。

リニューアルした設備はセールスポイント?

確かに、リニューアルした設備はひとつのPRポイントだった。

しかし、それでは興味を持ってもらえていないのは肌感覚で分かった。

特養のような住まいと異なり、デイサービスの設備が新しいことは選択の決め手になり得ない。
あくまでもどのようなサービスを行っているかが、デイサービス選択の際の重要な要素なのである。

センター長と相談員は、設備の新しさしか自信をもって伝えるものがないことに気づき、訪問しても話題がないという営業活動を繰り返すしかなくなってしまったのだった。

そうして営業は自然と苦痛を伴う仕事となり、足が遠のくまでに時間はかからなかった。

変わる地域の方の「サービスを選ぶ目」

デイサービスのウリがわからない。他のデイサービスとの差別化ができていない。

それが、営業で成果を出すことのできない原因となっていたのだった。

これまでにそれを意識することはなく、そのようなものがなくても利用者は来てくれていた。
しかし状況は一変したのだ。デイサービスと利用者の需給のバランスが崩れたということもあるが、利用者もまたこれまで以上に慎重にサービスを選ぶようになっていたためだ。
感染症のリスクを負ってでもデイサービスを使うのであれば、せめて少しでも良いサービスを選ぼうという意識の高まりが、「内容を見て選ぶ」という当たり前の行動につながっていったのである。

私たちのデイサービスのウリとは何か

では、私たちのデイサービスもウリを明確にし、前面に打ち出していけばいいではないか。

純粋にそう思い、デイサービスのウリとは何かとセンター長と相談員に聞くと、返ってきた答えは単純明快だった。

私たちのウリがわかりません」

ウリがない。
たしかに私自身、思い浮かぶものはなかった。
利用者は誰でもウエルカムの姿勢を持っていたので、認知症から要支援まで幅広い利用者がいた。
サービスも、どこにでもあるデイサービスの介護、レクリエーション、リハビリテーションを揃えている。

何が他と違うのかと言われて、自信をもって答えられるものはなかった。

ウリがないデイサービスの逆転の手段とは

今更だが、ありませんでは済まされないのではないか。

では、これからウリを作っていくとして、何をすべきなのか。

リハビリ専門に切り替えるには、設備をリニューアルしたばかりである。
充実したイベントを行いたいが、資金難のなかでは他を出し抜くほどのものを準備できない。
職員の質や資格を前面に出したいが、人の育成は数日でできるものではない…。

私は愕然とした。

設備をリニューアルした直後に至って、はじめて施設の抱える致命的な課題点に気づくことになるとは!

私は、社会福祉法人の運営を環境の良さに任せていたことに後悔し、頭を抱えたその時、事務員が持ってきた一枚のチラシを唐突に思い出した。

確かそこには、「デイサービス」「セールスポイント」というキーワードが大きく書かれていた、有料講座の案内だったはずだ!

気づくと私は、机の上の書類をひっくり返して、一枚の青いチラシを探し始めたのだった。

どの施設にも必ずある人を惹きつけるセールスポイント。
「中の人」が気づかない魅力を言語化すれば、営業スタイルも成果も自ずと変わる!

稼働率改善に根本から挑む、課題フィードバック式の強化カリキュラム

デイサービス向け「セールスポイント強化塾」で学んだもの

さっそく私は、センター長と相談員を受講させた。

結果、その後の半年では両名の営業活動は一変し、自信満々に地域を飛び回るようになっていった。
そして、それに伴い稼働率は急上昇。
定員上限で受け入れられない曜日が出てくるまでになったのだった。

いったい、二人には何が起きたのか。講座では何を学んできたのか。

3つの受講メリット💡

  • メリット1:施設の魅力、他との差別点がわかる!
  • メリット2:説得力のある営業トークが身につく!
  • メリット3:訴求力の高いチラシが作れるように!

講座の目的はセールスポイントを強化する、つまりデイサービスのウリを作りだすことに主眼が置かれているが、際立っていたのはそれを「すぐに見つけ出す」ことができたことだった。

つまり、準備期間や多額の費用をかけることなく、今の施設のそのままの状態からウリを生み出すことができたのである。
そのウリとは、どのような施設にも見えていないだけで必ずある。作るのではなく掘り起こすことでセールスポイントになる。
ただ、少しだけ視点を変え、情報収集と整理の方法を工夫するだけでよいのである。

ウリは作るだけでなく伝えていくもの

セールスポイントがまとまれば、それをいかにして相手に伝えるかが重要となる。

残念ながら、良いウリを持っていたとしても、押し売りのようなトークでは伝わらない。
セールスポイントを分かりやすくまとめたチラシや営業資料の作り方、施設のウリを伝えやすくするトークの仕方などを学ばなければ、有効活用させることは難しい。
しかし逆に言えば、そのポイントをおさえることができれば、セールスポイントは自然と伝わり、広まり、営業活動の効率を劇的に高める起爆剤となっていくのだ。

センター長と相談員は、3回の講座を聞き、若干の課題を合間にこなすだけで、その要諦をつかみ、即日営業活動に反映させられることができたのだった。

はじめは、単にデイサービスのセールスポイントがわかり、営業訪問時のネタに使える程度だった。
しかし、そのセールスポイントに惹かれて利用した利用者は、必ず満足する。
なぜならば、セールスポイントは作られたものではなく、すでにデイサービスに存在する、実績のあるサービスだからである。
そうすると、利用者の満足は職員の自信につながる。
職員の自信はさらなるセールスポイントとなる。
センター長と相談員は、さらに強化されたセールスポイントをもち営業ができる。
すると利用者が引き込まれる…このような好循環を繰り返すうちに、営業はすぐに自信満々で楽しくなり、成果が伴うようになっていったのだった。

セールスポイントを強化した私たちが次に向かう先とは

今や、コロナ前以上に地域を代表するデイサービスとなった「デイサービスセンター夕日丘」は、2度目の改修、つまり増築を検討するまでに至っている。
それだけ、地域からの期待が日に日に高まっているのだ。

もちろん、規模の拡大に不安がないわけではない。
しかし、利用者に喜んでもらえているという大きな自信が大きな支えになっている。
デイサービスのセールスポイントを見出すということは、デイサービスの行うべきサービスとは何かを理解し実践するきっかけとなったからだ。

私は、あらためて法人を立ち上げたときのようなワクワクを、活気あふれるデイサービスの様子から感じ取っているのだった。

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