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コンサルタントの心に残るエピソードVol.01「お前は何のために医者になったんだ!」

  • 業種 病院・診療所・歯科
    介護福祉施設
    企業経営
  • 種別 レポート

「お前は何のために医者になったんだ!」

株式会社日本経営 / 取締役 橋本 竜也

2つの病院で見た、震えるほどの志と信念の指導

病院の人事評価:救急科の医師へ、志と信念の指導

医師の人事評価のご支援をしている病院で、他職種からの多面評価を導入しており、その結果を理事長にご報告していた時のことです。

理事長が期待されていた30代前半の救急科の医師の結果を見て、顔つきが変わりました。“他職種との連携”や“救急受入れの姿勢”などの結果が悪かったのです。

「最近、よからぬ話も私の耳に入っている。すぐにここに呼びなさい。」

ほどなくして、その医師がやってきました。

「評価結果がこんなことになっている。
先日も介護施設からの救急搬送で、これくらいで連れてくるなみたいなことを言ったそうだな。夜の介護施設で医療職もいない中、不安で仕方がない介護職の気持ちになって考えてみなさい。
そういう人たちの助けになってこそ医師だろう。
君は何のために医師になったんだ!介護施設の夜勤に入れてもらえ!」

それはすごい剣幕でした。その医師も震え上がっているようでした。

そんなこと言ったら辞めてしまうのではないか。辞めてしまったら大変だ。そんな気持ちになる方も少なくないでしょう。私もやめてしまうのではないかとヒヤヒヤしていましたが、結局そのようなことはありませんでした。

それにしてもすごい指導です。根本をついてきます。志と信念で指導されていると感じました。

翻って、私自身はそんな深いところから社員を指導しているだろうかと考えさせられました。「君は何のためにコンサルタントになったんだ!」言ったことがないのですが、それは「言えたことがない」のほうが正しいのかもしれません。

病院の役職者研修:医師と新任役職者へ、志と信念の指導

別の病院で先日、新任役職者の研修の講師をしました。医師8名を含めた24名の参加者の前で、教育研修部長が次のように言われました。

「私たちの病院は客観的なデータで見ても日本トップクラスの病院です。トップクラスの病院としてふさわしい管理職になっていただきたい。」

静かな語り口でしたが、やはり志や信念を感じました。

存在理由、存在価値をベースに指導・育成する

何を言うかよりも誰が言うか、どのように語るのかよりもどこから語るのか。志や信念からの言葉には強さと説得力があります。

自分たちの仕事や組織の存在理由、存在価値をベースに指導・育成するということの重要さを強く感じます。自分たちの仕事や組織の存在理由、存在価値に誇りを持ち、高め続けているからこそ出る言葉。

私もコンサルタントとしての存在価値を心底考え、そこをベースに他の社員とともに成長していきたいと思います。

このレポートの解説者

橋本竜也(はしもと たつや)
株式会社 日本経営 取締役

入社以来、人事コンサルティング部門にて、一貫して病院・企業の人事制度改革に携わる。2006年には調剤薬局に出向し、収益改善と組織改革を実現。コンサルティングにおいては、人事改革、組織改革のほか、赤字病院の経営再建にも従事。2013年1月福岡オフィス長に就任。2017年10月より株式会社日本経営取締役。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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