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医療業界に組織変革の時代が到来する ~医療マネジメント学会、日本病院協会のランチョンセミナーを経て~/組織開発のアプローチ

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 レポート

私たちは、病院の組織づくりや人づくりをテーマとして、 6月21日(金)・22日(土)の医療マネジメント学会、そして7月4日(木)・5日(金)の日本病院協会のランチョンセミナーに登壇しました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
いずれもチケットはオープンしてすぐ配布終了、参加者の多くは全国各地の理事長、院長、部長クラスの経営層でした。

以下は、ご感想の一部を抜粋です。

・病院内の士気や意識が低下していることやリーダー人材が育っていないことは医療業界の共通課題でその理由も納得。先行事例をもとに当院も組織開発に取り組む必要性がある。

・当院も同様の課題がある。経営陣と現場との意識や認識に大きなズレがあるのも理解できた。

・当院の現状がまさに講演の他院の状況であり、従来の考え方や組織づくり、人づくりを変えていかないといけないと理解した。

・病院内部で起きている現状について、そうだそうだとうなづかざるを得ない部分が満載でした。

・腹に落とし込むまで語り合うこと、時間をかけること、どれもその通りと思った。実践をする方から話を伺うと、「自分も頑張らないと!」と力をもらえました。

・当院の他の幹部や管理職にも聞いてほしい内容でした。レジュメ、内容を院内で共有します。

多くの方々が講演内容に共感いただきました。

全国の病院内部で生じている課題には共通するものがあります。それは例えば、慢性的な人材不足、若手職員の離職、リーダー候補者の不足、管理職のマネジメントが不全、ハラスメントやメンタルダウンなどの精神課題などです。

これらの課題は、今後も続いていく長期課題であり、時間の経過とともに悪化していくものになります。病院経営層、管理職層は、持続可能な組織に向けて、これらの課題に真正面から向き合っていかなければなりません。

このような時代精神を踏まえ、講演では、ここ数年の間で組織開発や人材開発に取り組まれている病院の実例をもとに、新たな時代における組織づくり、人づくりとは何かについて説明しました。

組織開発とは何か?
なぜ、組織開発に取り組む重要性が高まっているのか?

そもそも組織開発とは何か?についてですが、これには様々な解釈があります。ここではシンプルに、「環境がどのような状況になろうとも、組織が健全な状態を保ちながら効果的に活動し、自律的な進化と変革を遂げていく組織を創造すること」としましょう。

現在の病院を取り巻く環境変化は複雑性を増しており、現場に混乱とストレスを与え続けています。10年以上前のように外部環境が安定している時代では、病院方針を現場におろし、管理や評価をしていけば現場職員の意識と行動をあるべき姿に導いていくことが比較的容易でした。しかし、現代のように内部の足並みが揃わず、先行きが見えないことへの不安や、日々の業務に追われて心身が疲弊している状況が続いている時代では、従来型のマネジメントが通用しづらくなっています。

病院方針や制度は、現場職員の「理解」だけではなく、「納得と共感」を得られてこそ成立します。現場のエネルギーが停滞している状況下においては、病院方針や制度の理解は丁寧な説明や研修などを通じて作り出せたとしても、納得と共感を得ることは難しくなります。病院や幹部から現場に変化や責任を求めれば求めるほど、現場は「自分たちのことをわかってもらえていない」「そんな余裕はない」と反発したくなる気持ちを強めてしまうのです。

このような時は、まず現場の足元を整えることから始めなければなりません。つまり、バラバラになってしまった組織の雰囲気、意思疎通の乱れを解消し、経営層と現場の認識のズレ、部門間のすれ違い、上司部下の相互不信、管理職のやらされ感覚や不満感情を改善することから始めるということです。

方針や制度というあるべき姿やルールは、現場が負の状態を脱した上ではじめて受け止められるものです。今の時代、病院経営層は、この負の状態を整えることに注視して向き合うことが問われてくるのです。

中でも信頼と絆の関係性を育む「協働精神」と、マインドを整えビジョンや志を明らかにする「当事者精神」は、今後の組織づくりにおける重要テーマと言えるでしょう。この2つの精神を組織内に育む機会を作り出し、組織のエネルギーを高めることが組織開発といえます。

組織開発に取り組む病院が増加傾向にある

私どもミライバでは、全国の医療機関を対象に組織開発の支援をしていますが、コロナ禍が始まってからお問い合わせいただく件数が増えています。また、奇数月に「病院幹部のための組織開発講座」をオンライン上で開催していますが、毎回150〜200名程度の参加をいただいています。これは、組織内部が不安定な状況に陥っていることの表れであり、組織開発に対する関心度が高まっていることを示唆しています。

組織開発は、「どのような狙い・テーマに向けて」、「誰を対象に」、「どのようなことについて深めていくのか」を明らかにした上で、「本音を話し合う対話の機会」をもうけ、関係者とともに少しずつ絆を深めながら、共通の方向性を見出していくことがポイントになります。

これは、一見時間とエネルギーが無駄にかかるかのように見えてしまいますが、このようなアナログ的なやり方が精神を整え、相互信頼の質と意識の次元を高めてくれるのです。DXを通じて合理化、効率化を進めていくと同様に、想いや意識を育み、病院全体や個々の士気を高めるための直接的な対話や交流の機会も増やしていく必要があると言って良いでしょう。

組織開発に取り組まれる病院は、少しずつ、確実に組織内部のエネルギーを高められています。経営幹部が一枚岩になり、管理職が自分らしさを取り戻して影響力を高め、監督職や次期リーダークラスがリーダーとしての自覚と責任ある言動を起こしていきます。

今後も続く外部環境の荒波に飲み込まれないよう、組織開発に着手されてみませんか?

病院幹部のための組織開発講座 第16弾
事例から学ぶ病院組織開発


ミライバ組織開発ラジオ

好きな時間に気軽に聴いて学べる音声番組です!

組織開発・人材開発の株式会社ミライバから、 江畑直樹と田中梨央がお届けする音声番組『ミライバ組織開発ラジオ』です。

Stand.fm(スタンドエフエム)アプリをお持ちでない方も、QRコードから「ミライバ組織開発ラジオ」を聞くことができます。アプリダウウンロード・QRコードは、Vol.45 「ミライバ組織開発ラジオ」始めました!にて詳しくご紹介させていただいております。皆様のフォロー、いいね、コメント、レターをお待ちしております!


組織開発というアプローチ

本稿の執筆者

江畑直樹(えばた なおき)
株式会社ミライバ 取締役

2003年日本経営入社。主に医療機関、福祉施設の組織創りや幹部・管理職・監督職の研修に従事。2018年に株式会社ミライバを設立し、組織開発コンサルティングや人材開発研修の支援を行う。成人発達理論、学習する組織、U理論、インテグラル理論、NVC等の理論をベースとし、首都大学東京専門職大学院や日本社会事業大学専門職大学院では、これら理論を軸とした組織創りやサービス開発等について看護管理者、福祉管理者を対象に授業を行う。

株式会社ミライバ/株式会社日本経営

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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